外国人漁業の規制に関する法律

外国人漁業の規制に関する法律
(昭和四十二年七月十四日法律第六十号)


最終改正:平成一三年六月二九日法律第九二号

第一条  この法律は、外国人がわが国の港その他の水域を使用して行なう漁業活動の増大によりわが国漁業の正常な秩序の維持に支障を生ずるおそれがある事態に対処して、外国人が漁業に関してする当該水域の使用の規制について必要な措置を定めるものとする。

第二条  この法律において「本邦」とは、本州、北海道、四国、九州及び農林水産省令で定めるその附属の島をいう。
 この法律において「漁業」とは、水産動植物の採捕又は養殖の事業(漁業等付随行為を含む。)をいう。
 この法律において「漁業等付随行為」とは、水産動植物の採捕又は養殖に付随する探索、集魚、漁獲物の保蔵又は加工、漁獲物又はその製品の運搬、船舶への補給その他これらに準ずる行為で農林水産省令で定めるものをいう。
 この法律において「採捕準備行為」とは、漁具を格納しないで直ちに水産動植物の採捕を行うことができる状態にする行為をいう。
 この法律において「探索」とは、水産動植物の採捕に資する水産動植物の生息状況の調査であつて水産動植物の採捕を伴わないものをいい、「探査」とは、探索のうち漁業等付随行為に該当しないものをいう。
 この法律において「漁獲物等」とは、漁獲物及びその製品をいう。
 この法律において「外国漁船」とは、日本船舶以外の船舶(農林水産大臣の指定するものを除く。)であつて、次の各号の一に該当するものをいう。
 漁ろう設備を有する船舶
 前号に掲げる船舶のほか、漁業の用に供され、又は漁場から漁獲物等を運搬している船舶
 この法律において「本邦の港」とは、港湾法 (昭和二十五年法律第二百十八号)第九条第一項同法第三十三条第二項 において準用する場合を含む。)の規定による港湾区域の公告があつた港湾及び漁港漁場整備法 (昭和二十五年法律第百三十七号)第二条 に規定する漁港をいう。

第三条  次に掲げるものは、本邦の水域において漁業、水産動植物の採捕(漁業に該当するものを除き、漁業等付随行為を含む。以下同じ。)、採捕準備行為又は探査を行つてはならない。ただし、その水産動植物の採捕が農林水産省令で定める軽易なものであるときは、この限りでない。
 日本の国籍を有しない者。ただし、適法に本邦に在留する者で農林水産大臣の指定するものを除く。
 外国、外国の公共団体若しくはこれに準ずるもの又は外国法に基づいて設立された法人その他の団体

第四条  外国漁船の船長(船長に代わつてその職務を行なう者を含む。以下同じ。)は、当該外国漁船を本邦の港に寄港させようとする場合には、次に掲げる行為をすることのみを目的として寄港させようとするときを除き、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣の許可を受けなければならない。
 海難を避け、又は航行若しくは人命の安全を保持するため必要な行為
 外国から積み出された漁獲物等(政令で定める書類を添附してあるものに限る。以下「外国積出漁獲物等」という。)の本邦への陸揚げ又は他の船舶への転載
 外国積出漁獲物等以外の漁獲物等の本邦への陸揚げであつて、わが国漁業の正常な秩序の維持に支障を生ずることとならないものとして政令で定めるもの
 農林水産大臣は、前項の許可の申請があつた場合には、当該寄港によつて外国漁船による漁業活動が助長され、わが国漁業の正常な秩序の維持に支障を生ずるおそれがあると認められるときを除き、同項の許可をしなければならない。

第四条の二  外国漁船の船長は、前条の規定にかかわらず、特定漁獲物等(外国漁船によるその本邦への陸揚げ等によつて我が国漁業の正常な秩序の維持に支障が生じ又は生ずるおそれがあると認められる漁獲物等で政令で定めるものをいう。以下第六条第五項において同じ。)を本邦に陸揚げし、又は他の船舶に転載することを目的として、当該外国漁船を本邦の港に寄港させてはならない。

第五条  農林水産大臣は、第四条第一項又は前条の規定に違反して外国漁船の船長が当該外国漁船を本邦の港に寄港させていると認める場合には、当該船長に対し、当該外国漁船を当該本邦の港から退去させるべきことを命ずることができる。

第六条  外国漁船の船長は、本邦の水域(本邦の港の水域を除く。次項において同じ。)において、漁獲物等(外国積出漁獲物等を除く。次項及び第三項において同じ。)を、当該外国漁船から他の船舶に転載し、又は他の外国漁船から当該外国漁船に積み込んではならない。
 外国漁船以外の船舶の船長は、本邦の水域において、漁獲物等を外国漁船から当該船舶に積み込んではならない。
 外国漁船以外の船舶の船長は、本邦の水域以外の水域において外国漁船から当該船舶に積み込んだ漁獲物等を、本邦の港において、陸揚げし、又は当該船舶から他の船舶に転載してはならない。
 前三項の規定は、わが国漁業の正常な秩序の維持に支障を生ずることとならない場合として政令で定める場合には、適用しない。
 外国漁船以外の船舶(漁船法 (昭和二十五年法律第百七十八号)第二条第一項 に規定する漁船を除く。)の船長は、特定漁獲物等については、前二項の規定により陸揚げしてはならない場合に該当しない場合においても、これを漁港(漁港漁場整備法第二条 に規定する漁港をいう。)において陸揚げし、又は漁港区(港湾法第三十九条第一項 の規定により指定された漁港区をいう。)に陸揚げしてはならない。

行政手続法 の適用除外)
第六条の二  この法律の規定による処分については、行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第二章 及び第三章 の規定は、適用しない。

第六条の三  この法律の規定に基づき政令又は農林水産省令を制定し、又は改廃する場合においては、その政令又は農林水産省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

第七条  第四条第一項及び第五条に規定する農林水産大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。

(条約の効力) 金に処し、又はこれを併科する。
 第三条の規定に違反した者
 第四条第一項の規定に違反して同項の許可を受けないで外国漁船を寄港させた船長
二の二  第四条の二の規定に違反した船長
 第五条の規定による命令に違反した船長
 第六条第一項から第三項まで又は第五項の規定に違反した船長
 前項の場合においては、犯人が所有し、又は所持する漁獲物等、船舶又は漁具その他漁業、水産動植物の採捕、採捕準備行為若しくは探査の用に供される物は、没収することができる。ただし、犯人が所有していたこれらの物件の全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴することができる。

第十条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して、前条第一項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。

   附 則

 この法律は、公布の日から起算して九十日を経過した日から施行する。
   附 則 (昭和五〇年七月一日法律第五〇号)

 この法律は、公布の日から施行する。
   附 則 (昭和五二年五月二日法律第三一号) 抄

(施行期日)
 この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

   附 則 (昭和五三年七月五日法律第八七号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から施行する。

   附 則 (昭和六一年五月二〇日法律第五五号)

 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
   附 則 (平成五年一一月一二日法律第八九号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。

(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
第二条  この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第十三条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
第十四条  この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。

(政令への委任)
第十五条  附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

   附 則 (平成八年六月一四日法律第七六号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、海洋法に関する国際連合条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。

   附 則 (平成一一年七月一六日法律第八七号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日

(国等の事務)
第百五十九条  この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。

(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条  この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。

(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条  施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(手数料に関する経過措置)
第百六十二条  施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第百六十三条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
 附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。

(検討)
第二百五十条  新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。

第二百五十一条  政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

第二百五十二条  政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成一三年六月二九日法律第九二号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十四年四月一日から施行する。