義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律

義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律
(昭和三十八年十二月二十一日法律第百八十二号)


最終改正:平成二三年六月二四日法律第七四号


 第一章 総則(第一条・第二条)
 第二章 無償給付及び給与(第三条―第九条)
 第三章 採択(第十条―第十七条)
 第四章 発行(第十八条―第二十二条)
 第五章 罰則(第二十三条・第二十四条)
 附則

   第一章 総則

第一条  この法律は、教科用図書の無償給付その他義務教育諸学校の教科用図書を無償とする措置について必要な事項を定めるとともに、当該措置の円滑な実施に資するため、義務教育諸学校の教科用図書の採択及び発行の制度を整備し、もつて義務教育の充実を図ることを目的とする。

第二条  この法律において「義務教育諸学校」とは、学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)に規定する小学校、中学校、中等教育学校の前期課程並びに特別支援学校の小学部及び中学部をいう。
 この法律において「教科用図書」とは、学校教育法第三十四条第一項同法第四十九条 、第七十条第一項及び第八十二条において準用する場合を含む。)及び附則第九条 に規定する教科用図書をいう。
 この法律において「発行」とは、教科用図書を製造供給することをいう。

   第二章 無償給付及び給与

第三条  国は、毎年度、義務教育諸学校の児童及び生徒が各学年の課程において使用する教科用図書で第十三条、第十四条及び第十六条の規定により採択されたものを購入し、義務教育諸学校の設置者に無償で給付するものとする。

第四条  文部科学大臣は、教科用図書の発行者と、前条の規定により購入すべき教科用図書を購入する旨の契約を締結するものとする。

第五条  義務教育諸学校の設置者は、第三条の規定により国から無償で給付された教科用図書を、それぞれ当該学校の校長を通じて児童又は生徒に給与するものとする。
 学年の中途において転学した児童又は生徒については、その転学後において使用する教科用図書は、前項の規定にかかわらず、文部科学省令で定める場合を除き、給与しないものとする。

第六条  都道府県の教育委員会は、政令で定めるところにより、教科用図書の無償給付及び給与の実施に関し必要な事務を行なうものとする。

第七条 第四条第一号 に掲げる時期については、同法第五条第一項 中「十日以内の日」とあるのは「二十日以内の日」と読み替えて同項 の規定を適用する。

第八条  削除

第九条  この章に規定するもののほか、教科用図書の無償給付及び給与に関し必要な事項は、政令で定める。

   第三章 採択

第十条  都道府県の教育委員会は、当該都道府県内の義務教育諸学校において使用する教科用図書の採択の適正な実施を図るため、義務教育諸学校において使用する教科用図書の研究に関し、計画し、及び実施するとともに、市(特別区を含む。以下同じ。)町村の教育委員会及び義務教育諸学校(公立の義務教育諸学校を除く。)の校長の行う採択に関する事務について、適切な指導、助言又は援助を行わなければならない。

第十一条  都道府県の教育委員会は、前条の規定により指導、助言又は援助を行なおうとするときは、あらかじめ教科用図書選定審議会(以下「選定審議会」という。)の意見をきかなければならない。
 選定審議会は、毎年度、政令で定める期間、都道府県に置く。
 選定審議会は、二十人以内において条例で定める人数の委員で組織する。

第十二条  都道府県の教育委員会は、当該都道府県の区域について、市若しくは郡の区域又はこれらの区域をあわせた地域に、教科用図書採択地区(以下この章において「採択地区」という。)を設定しなければならない。
 都道府県の教育委員会は、採択地区を設定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ市町村の教育委員会の意見をきかなければならない。
 都道府県の教育委員会は、採択地区を設定し、又は変更したときは、すみやかにこれを告示するとともに、文部科学大臣にその旨を報告しなければならない。

第十三条  都道府県内の義務教育諸学校(都道府県立の義務教育諸学校を除く。)において使用する教科用図書の採択は、第十条の規定によつて当該都道府県の教育委員会が行なう指導、助言又は援助により、種目(教科用図書の教科ごとに分類された単位をいう。以下同じ。)ごとに一種の教科用図書について行なうものとする。
 都道府県立の義務教育諸学校において使用する教科用図書の採択は、あらかじめ選定審議会の意見をきいて、種目ごとに一種の教科用図書について行なうものとする。
 公立の中学校で学校教育法第七十一条 の規定により高等学校における教育と一貫した教育を施すもの及び公立の中等教育学校の前期課程において使用する教科用図書については、市町村の教育委員会又は都道府県の教育委員会は、前二項の規定にかかわらず、学校ごとに、種目ごとに一種の教科用図書の採択を行うものとする。
 第一項の場合において、採択地区が二以上の市町村の区域をあわせた地域であるときは、当該採択地区内の市町村立の小学校及び中学校において使用する教科用図書については、当該採択地区内の市町村の教育委員会は、協議して種目ごとに同一の教科用図書を採択しなければならない。
 前各項の採択は、教科書の発行に関する臨時措置法 (昭和二十三年法律第百三十二号。以下「臨時措置法」という。)第六条第一項 の規定により文部科学大臣から送付される目録に登載された教科用図書のうちから行わなければならない。ただし、学校教育法 附則第九条 に規定する教科用図書については、この限りでない。

第十四条  義務教育諸学校において使用する教科用図書については、政令で定めるところにより、政令で定める期間、毎年度、種目ごとに同一の教科用図書を採択するものとする。

第十五条  削除

第十六条  指定都市(地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項 の指定都市をいう。以下この条において同じ。)については、当該指定都市を包括する都道府県の教育委員会は、第十二条第一項の規定にかかわらず、指定都市の区の区域又はその区域をあわせた地域に、採択地区を設定しなければならない。
 指定都市の教育委員会は、第十条の規定によつて都道府県の教育委員会が行なう指導、助言又は援助により、前項の採択地区ごとに、当該採択地区内の指定都市の設置する小学校及び中学校において使用する教科用図書として、種目ごとに一種の教科用図書を採択する。
 第十三条第三項及び第五項の規定は、前項の採択について準用する。

第十七条  この章に規定するもののほか、選定審議会の所掌事務、組織及び運営並びに採択地区の設定、採択の時期その他採択に関し必要な事項は、政令で定める。

   第四章 発行

第十八条  文部科学大臣は、義務教育諸学校において使用する教科用図書(学校教育法 附則第九条 に規定する教科用図書を除く。以下この章において同じ。)の発行を担当する者で次の各号に掲げる基準に該当するものを、その者の申請に基づき、教科用図書発行者として指定する。
 次のいずれかに掲げる者でないものであること。
 破産者で復権を得ないもの
 次条の規定により指定を取り消された日から三年を経過していない者
 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反し、若しくは義務教育諸学校において使用する教科用図書の採択に関し刑法 (明治四十年法律第四十五号)第百九十八条 若しくは第二百三十三条 の罪、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律 (平成十一年法律第百三十六号)第三条第一項同項第十一号 に係る部分に限る。)若しくは同条第二項同条第一項第十一号 に係る部分に限る。)の罪若しくは公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律 (平成十二年法律第百三十号)第四条 の罪を犯して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わつた日又は執行を受けることがなくなつた日から三年を経過していない者
 法人で、その役員のうちにイからハまでのいずれかに該当する者があるもの
 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者又は成年被後見人で、その法定代理人がイからニまでのいずれかに該当するもの
 その事業能力及び信用状態について政令で定める要件を備えたものであること。
 前項の指定を受けようとする者は、文部科学省令で定めるところにより、申請書に必要な書類を添えて、文部科学大臣に提出しなければならない。

第十九条  文部科学大臣は、教科用図書発行者が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、前条第一項の指定を取り消さなければならない。
 前条第一項各号のいずれかに掲げる基準に適合しなくなつたとき。
 虚偽又は不正の事実に基づいて前条第一項の指定を受けたことが判明したとき。

第二十条  文部科学大臣は、教科用図書発行者について、第十八条第一項各号に掲げる基準に適合しているかどうかを調査するため必要があると認めるときは、教科用図書発行者に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。

第二十一条  文部科学大臣は、教科用図書発行者が第十九条の規定により指定を取り消されたときは、その者に係る臨時措置法第八条 の規定による発行の指示を取り消さなければならない。

臨時措置法 との関係)
第二十二条  教科用図書の発行及び教科用図書発行者については、この章に規定するもののほか、臨時措置法 の定めるところによる。

   第五章 罰則

第二十三条  第二十条の規定による報告若しくは資料の提出の要求に応ぜず、又は虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出した者は、三万円以下の罰金に処する。

第二十四条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、前条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の刑を科する。

   附 則 抄

(施行期日)
 この法律は、公布の日から施行する。
(経過規定)
 当分の間、第五条の規定により教科用図書の給与を受ける児童及び生徒の範囲は、同条の規定にかかわらず、政令で定める。

   附 則 (平成一〇年五月八日法律第五四号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、第一条中地方自治法別表第一から別表第四までの改正規定(別表第一中第八号の二を削り、第八号の三を第八号の二とし、第八号の四及び第九号の三を削り、第九号の四を第九号の三とし、第九号の五を第九号の四とする改正規定、同表第二十号の五の改正規定、別表第二第二号(十の三)の改正規定並びに別表第三第二号の改正規定を除く。)並びに附則第七条及び第九条の規定は、公布の日から施行する。

第二百五十一条  政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

第二百五十二条  政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成一一年八月一八日法律第一三六号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

   附 則 (平成一一年一二月八日法律第一五一号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十二年四月一日から施行する。

第四条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

   附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。

   附 則 (平成一二年一一月二九日法律第一三〇号) 抄

(施行期日)
 この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。

   附 則 (平成一五年七月一六日法律第一一七号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十六年四月一日から施行する。

(罰則に関する経過措置)
第七条  この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第八条  附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

   附 則 (平成一六年一二月一日法律第一四七号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

   附 則 (平成一八年六月二一日法律第八〇号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十九年四月一日から施行する。

   附 則 (平成一九年六月二七日法律第九六号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

   附 則 (平成二三年六月三日法律第六一号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。

   附 則 (平成二三年六月二四日法律第七四号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。