建設機械抵当法

建設機械抵当法
(昭和二十九年五月十五日法律第九十七号)


最終改正:平成一八年五月一九日法律第四〇号

第一条  この法律は、建設機械に関する動産信用の増進により、建設工事の機械化の促進を図ることを目的とする。

第二条  この法律で「建設機械」とは、建設業法 (昭和二十四年法律第百号)第二条第一項 に規定する建設工事の用に供される機械類をいう。
 前項の機械類の範囲は、政令で定める。

第三条  建設機械については、建設業法第二条第三項 に規定する建設業者で、その建設機械につき第三者に対抗することのできる所有権を有するものの申請により、所有権保存の登記をすることができる。但し、次条に規定する打刻又は検認を受けていない建設機械については、この限りでない。
 質権又は差押、仮差押若しくは仮処分の目的となつている建設機械について所有権保存の登記がされたときは、その登記は、質権者又は差押、仮差押若しくは仮処分の債権者に対しては、効力を生じない。

第四条  前条第一項の規定により建設機械の所有権保存の登記を申請しようとする者は、あらかじめ、当該建設機械につき、国土交通大臣の行う記号の打刻又は既に打刻された記号の検認を受けなければならない。
 前項の記号の打刻及び検認については、行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第二章 の規定は、適用しない。
 第一項の記号の打刻及び検認に関し必要な事項は、政令で定める。
 第一項に規定する国土交通大臣の権限に属する打刻又は検認に関する事務の全部又は一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。
 何人も、第一項の規定により打刻した記号をき損してはならない。

第五条  既登記の建設機械は、抵当権の目的とすることができる。

第六条  抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移さないで債務の担保に供した既登記の建設機械(以下「抵当建設機械」という。)につき、他の債権者に先だつて、自己の債権の弁済を受けることができる。

第七条  既登記の建設機械の所有権及び抵当権の得喪及び変更は、建設機械登記簿に登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
 建設機械登記簿は、一個の建設機械につき一用紙を備える。

第八条  建設機械の所有権保存の登記後三十日以内に抵当権設定の登記がされないとき、又は抵当権の登記が全部まつ消された後三十日以内に新たな抵当権設定の登記がされないときは、登記官は、当該建設機械の登記用紙を閉鎖しなければならない。但し、所有権の登記以外の登記があるときは、この限りでない。

第九条  この法律に定めるもののほか、建設機械の登記に関し必要な事項は、政令で定める。

第十条  抵当権は、抵当建設機械に附加して一体となつている物に及ぶ。但し、設定行為に別段の定がある場合及び民法 (明治二十九年法律第八十九号)第四百二十四条 の規定により他の債権者が債務者の行為を取り消すことができる場合は、この限りでない。

第十一条  抵当権者は、債権の全部の弁済を受けるまでは、抵当建設機械の全部につき、その権利を行使することができる。

第十二条  抵当権は、抵当建設機械の売却、賃貸、滅失又はき損によつて抵当権設定者が受けるべき金銭その他の物に対しても、これを行使することができる。この場合においては、その払渡又は引渡前に差押をしなければならない。

第十三条  他人の債務を担保するため抵当権を設定した者がその債務を弁済し、又は抵当権の実行によつて抵当建設機械の所有権を失つたときは、保証債務に関する規定に従い、債務者に対して求償権を有する。

第十四条  数個の債権を担保するため同一の建設機械につき抵当権を設定したときは、その抵当権の順位は、登記の前後による。
 民法第三百七十四条 の規定は、抵当権の順位の変更について準用する。

第十五条  同一の建設機械につき抵当権及び先取特権が競合する場合には、抵当権は、民法第三百三十条第一項 に規定する第一順位の先取特権と同順位とする。

第十六条  抵当権者が利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となつた最後の二年分についてのみその抵当権を行使することができる。但し、それ以前の定期金についても満期後特別の登記をしたときは、その登記の時からこれを行使することを妨げない。
 前項の規定は、抵当権者が債務の不履行によつて生じた損害の賠償を請求する権利を有する場合において、その最後の二年分についても適用する。但し、利息その他の定期金と通算して二年分をこえることができない。

第十七条  抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。
 前項の場合において、抵当権者が数人のためにその抵当権の処分をしたときは、その処分の利益を受ける者の権利の順位は、抵当権の登記にした附記の前後による。

第十八条  前条第一項の規定による抵当権の処分は、民法第四百六十七条 の規定に従い、主たる債務者にこれを通知し、又はその債務者がこれを承諾しなければ、その債務者、保証人、抵当権設定者又はこれらの承継人に対抗することができない。
 主たる債務者が前項の通知を受け、又は承諾をしたときは、抵当権の処分の利益を受ける者の同意を得ないでした弁済は、その受益者に対抗することができない。

第十九条  抵当建設機械を買い受けた第三者が抵当権者の請求に応じてその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。

第二十条  抵当建設機械を取得した第三者が抵当建設機械につき必要費又は有益費を出したときは、民法第百九十六条 の区別に従い、抵当建設機械の代価をもつて最も先にその償還を受けることができる。

第二十一条  債権者が同一の債権の担保として数個の建設機械の上に抵当権を有する場合において、同時にその代価を配当すべきときは、その各建設機械の価格に応じてその債権の負担を分ける。
 ある抵当建設機械の代価のみを配当すべきときは、抵当権者は、その代価につき債権の全部の弁済を受けることができる。この場合において、次の順位にある抵当権者は、右の抵当権者が前項の規定により他の抵当建設機械につき弁済を受けるべき金額に達するまでこれに代位して抵当権を行使することができる。
 前項後段の規定により代位して抵当権を行使する者は、その抵当権の登記にその代位を附記することができる。

第二十二条  抵当権者は、抵当建設機械の代価で弁済を受けない債権の部分についてのみ他の財産から弁済を受けることができる。
 前項の規定は、抵当建設機械の代価に先だつて他の財産の代価を配当すべき場合には、適用しない。
 前項の場合において、抵当権者に第一項の規定による弁済を受けさせるため、他の各債権者は、抵当権者に配当すべき金額の供託を請求することができる。

第二十三条  抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によつて消滅しない。

第二十四条  債務者又は抵当権設定者以外の者が抵当建設機械につき取得時効に必要な条件を具備した占有をしたときは、抵当権は、これによつて消滅する。

第二十四条の二  抵当権は、設定行為をもつて定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。
 民法第三百九十八条の二第二項 及び第三項 並びに第三百九十八条の三 から第三百九十八条の二十二 までの規定は、前項の抵当権について準用する。

第二十五条  既登記の建設機械は、質権の目的とすることができない。

第二十六条  既登記の建設機械に対する強制執行及び仮差押えの執行については、地方裁判所が執行裁判所又は保全執行裁判所として、これを管轄する。ただし、仮差押えの執行で最高裁判所規則で定めるものについては、地方裁判所以外の裁判所が保全執行裁判所として、これを管轄する。
 前項の強制執行及び仮差押えの執行に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
 前二項の規定は、既登記の建設機械の競売について準用する。

第二十七条  第二条第二項の規定に基く政令の改正により新たに建設機械となつたもので、その改正の際現に道路運送車両法 (昭和二十六年法律第百八十五号)により所有権の登録を受けているものは、その登録がある間は、同条に規定する建設機械でないものとみなす。
 第二条第二項の規定に基く政令の改正により建設機械でなくなつたもので、その改正の際現に所有権の登記があるものは、その登記がある間は、同条に規定する建設機械とみなす。

第二十八条  この法律で政令又は最高裁判所の定めるところに委任するものを除くほか、この法律の実施のための手続その他その執行について必要な細則は、政令で定める。

第二十九条  第四条第五項の規定に違反して記号をき損した者は、一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。

第三十条  競売を免かれる目的をもつて抵当建設機械を隠匿し、又は損壊した者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

   附 則 抄

 この法律の施行期日は、公布の日から起算して六箇月をこえない範囲内において、政令で定める。
 国土交通大臣は、附則第四項に規定する建設機械については、道路運送車両法第十五条の規定による永久抹消登録、同法第十五条の二第二項の規定による輸出抹消仮登録又は同法第十六条第一項の申請に基づく一時抹消登録をするまでは、第四条の規定による打刻をすることができない。

   附 則 (昭和三八年七月九日法律第一二六号) 抄

 この法律は、商業登記法の施行の日(昭和三十九年四月一日)から施行する。
   附 則 (昭和四六年六月三日法律第九九号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、昭和四十七年四月一日から施行する。

(経過措置の原則)
第二条  この法律による改正後の民法(以下「新法」という。)の規定は、別段の定めがある場合を除き、この法律の施行の際現に存する抵当権で根抵当であるもの(以下「旧根抵当権」という。)にも適用する。ただし、改正前の民法の規定により生じた効力を妨げない。

(新法の適用の制限)
第三条  旧根抵当権で、極度額についての定めが新法の規定に適合していないもの又は附記によらない極度額の増額の登記があるものについては、その極度額の変更、新法第三百九十八条ノ四の規定による担保すべき債権の範囲又は債務者の変更、新法第三百九十八条ノ十二の規定による根抵当権の譲渡、新法第三百九十八条ノ十三の規定による根抵当権の一部譲渡及び新法第三百九十八条ノ十四第一項ただし書の規定による定めは、による分割をする場合には、増額に係る部分を目的とする権利を有する者その他の利害の関係を有する者の承諾を得なければならない。
 附則第十四条の規定による改正後の不動産登記法(明治三十二年法律第二十四号)第百十七条第二項、第百十八条及び第百十九条の規定は、第一項の規定による分割による権利の変更の登記の申請について準用する。
 前項の登記は、増額の登記に附記してする。この場合においては、登記官は、分割により根抵当権の設定を登記する旨を記載し、かつ、分割前の旧根抵当権の登記に分割後の極度額を附記しなければならない。
 不動産登記法第百四十七条第二項の規定は、前項の場合において、増額の登記に当該増額に係る部分を目的とする第三者の権利に関する登記があるときに準用する。

(元本の確定すべき期日に関する経過措置)
第六条  この法律の施行の際旧根抵当権について現に存する担保すべき元本の確定すべき時期に関する定め又はその登記は、その定めにより元本が確定することとなる日をもつて新法第三百九十八条ノ六第一項の期日とする定め又はその登記とみなす。ただし、その定めにより元本が確定することとなる日がこの法律の施行の日から起算して五年を経過する日より後であるときは、当該定め又はその登記は、当該五年を経過する日をもつて同項の期日とする定め又はその登記とみなす。

(弁済による代位に関する経過措置)
第七条  この法律の施行前から引き続き旧根抵当権の担保すべき債務を弁済するについて正当な利益を有していた者が、この法律の施行後元本確定前にその債務を弁済した場合における代位に関しては、なお従前の例による。

(旧根抵当権の処分に関する経過措置)
第八条  この法律の施行前に元本の確定前の旧根抵当権についてされた民法第三百七十五条第一項の規定による処分に関しては、なお従前の例による。

(同一の債権の担保として設定された旧根抵当権の分離)
第九条  同一の債権の担保として設定された数個の不動産の上の旧根抵当権については、元本の確定前に限り、根抵当権者及び根抵当権設定者の合意により、当該旧根抵当権を一の不動産について他の不動産から分離し、これらの不動産の間に、民法第三百九十二条の規定の適用がないものとすることができる。ただし、後順位の抵当権者その他の利害の関係を有する者の承諾がないときは、この限りでない。
 前項の規定による分離による権利の変更の登記は、当該一の不動産の上の旧根抵当権の設定の登記に附記してする。この場合においては、登記官は、当該不動産が他の不動産とともに担保の目的である旨の記載を朱抹しなければならない。
 不動産登記法第百二十八条の規定は、前項の権利の変更の登記をした場合について準用する。
 第一項の規定による分離は、新法第三百九十八条ノ十六の規定の適用に関しては、根抵当権の設定とみなす。

(元本の確定の時期に関する経過措置)
第十条  この法律の施行前に、新法第三百九十八条ノ二十第一項第二号に規定する申立て、同項第三号に規定する差押え、同項第四号に規定する競売手続の開始若しくは差押え又は同項第五号に規定する破産の宣告があつた旧根抵当権で、担保すべき元本が確定していないものについては、この法律の施行の日にこれらの事由が生じたものとみなして、同項の規定を適用する。

(旧根抵当権の消滅請求に関する経過措置)
第十一条  極度額についての定めが新法の規定に適合していない旧根抵当権については、その優先権の限度額を極度額とみなして、新法第三百九十八条ノ二十二の規定を適用する。

(建設機械抵当法の一部改正に伴う経過措置)
第二十七条  前条の規定による建設機械抵当法の一部改正に伴う経過措置については、附則第二条から附則第十一条までの規定の例による。

   附 則 (昭和五四年三月三〇日法律第五号) 抄

(施行期日)
 この法律は、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)の施行の日(昭和五十五年十月一日)から施行する。
(経過措置)
 この法律の施行前に申し立てられた民事執行、企業担保権の実行及び破産の事件については、なお従前の例による。
 前項の事件に関し執行官が受ける手数料及び支払又は償還を受ける費用の額については、同項の規定にかかわらず、最高裁判所規則の定めるところによる。

   附 則 (昭和五九年五月八日法律第二五号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、昭和五十九年七月一日から施行する。

(経過措置)
第二十三条  この法律の施行前に海運局長、海運監理部長、海運局若しくは海運監理部の支局その他の地方機関の長(以下「支局長等」という。)又は陸運局長が法律若しくはこれに基づく命令の規定によりした許可、認可その他の処分又は契約その他の行為(以下この条において「処分等」という。)は、政令(支局長等がした処分等にあつては、運輸省令)で定めるところにより、この法律による改正後のそれぞれの法律若しくはこれに基づく命令の規定により相当の地方運輸局長、海運監理部長又は地方運輸局若しくは海運監理部の海運支局その他の地方機関の長(以下「海運支局長等」という。)がした処分等とみなす。

第二十四条  この法律の施行前に海運局長、海運監理部長、支局長等又は陸運局長に対してした申請、届出その他の行為(以下この条において「申請等」という。)は、政令(支局長等に対してした申請等にあつては、運輸省令)で定めるところにより、この法律による改正後のそれぞれの法律若しくはこれに基づく命令の規定により相当の地方運輸局長、海運監理部長又は海運支局長等に対してした申請等とみなす。

第二十五条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

   附 則 (平成元年一二月二二日法律第九一号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

   附 則 (平成五年一一月一二日法律第八九号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。

(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
第二条  この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第一条  この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日

(国等の事務)
第百五十九条  この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。

(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条  この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。

(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条  施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(手数料に関する経過措置)
第百六十二条  施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第百六十三条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
 附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。

(検討)
第二百五十条  新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。

第二百五十一条  政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

第二百五十二条  政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。

   附 則 (平成一四年七月一七日法律第八九号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して二年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

   附 則 (平成一六年一二月一日法律第一四七号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

   附 則 (平成一八年五月一九日法律第四〇号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して十月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第一条中道路運送法第四十一条第四項の改正規定及び第二条の規定(前三号に掲げる改正規定並びに道路運送車両法第四十八条第一項の改正規定及び同法第六十一条第二項第二号の改正規定(「及び二輪の小型自動車」を加える部分を除く。)を除く。)並びに附則第八条から第十条まで、第十七条、第二十一条、第二十七条(土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法(昭和四十二年法律第百三十一号)第九条第四項の改正規定に限る。)及び第二十八条の規定 公布の日から起算して二年六月を超えない範囲内において政令で定める日