農山漁村電気導入促進法

農山漁村電気導入促進法
(昭和二十七年十二月二十九日法律第三百五十八号)


最終改正:平成二三年五月二日法律第三七号

第一条  この法律は、電気が供給されていないか若しくは十分に供給されていない農山漁村又は発電水力が未開発のまま存する農山漁村につき電気の導入をして、当該農山漁村における農林漁業の生産力の増大と農山漁家の生活文化の向上を図ることを目的とする。

第二条  都道府県知事は、電気が供給されていないか若しくは十分に供給されていないと認められる農山漁村又は発電水力が未開発のまま存すると認められる農山漁村について、当該農山漁村にある農業、林業又は漁業を営む者が組織する営利を目的としない法人で政令で定めるもの(当該法人が主たる出資者となつている法人で農林水産省令で定めるものを含む。以下「農林漁業団体」という。)で当該農山漁村につき電気の導入(当該農山漁村に電気を供給する者に対し、その発電水力を開発して農林水産省令で定める規模の発電を行い、電気を供給することを含む。第五条及び第九条第一項を除き、以下同じ。)の事業を行おうとする者の申請に基づき、その事業により電気の導入がされることとなる地域を管轄する市町村長の意見を聴いて、電気導入計画を定めることができる。
 前項の電気導入計画には、左の事項を調査の上、農林水産省令の定めるところにより記載しなければならない。
 当該農山漁村につき電気の導入をする方法
 当該農山漁村につき電気の導入をするための施設の建設計画
 前号の施設の利用計画
 都道府県知事は、第一項の電気導入計画を定めたときは、遅滞なく、これを農林水産大臣に提出しなければならない。

第四条  株式会社日本政策金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫は、農林漁業団体に対し、当該農林漁業団体が第二条第一項の規定により電気導入計画が定められた農山漁村につき電気の導入をするために必要とする次の各号に掲げる資金を貸し付ける場合には、前条の計画を基準としなければならない。
 発電施設(これに伴う送電変電配電設備を含む。以下同じ。)の改良、造成、復旧又は取得に必要な資金
 送電配電施設(変電受電設備を含む。以下同じ。)の改良、造成、復旧又は取得に必要な資金
 電気事業者(電気事業法 (昭和三十九年法律第百七十号)第二条第一項第十号 に規定するものをいう。以下同じ。)に対して負担する工事負担金

第五条  国は、開拓地、離島振興法 (昭和二十八年法律第七十二号)第二条 の規定による離島振興対策実施地域その他経済的に遅れており、かつ、電気の導入に関する条件が著しく悪いため株式会社日本政策金融公庫からの資金の貸付けのみでは電気の導入をすることが困難であると認められる地域における農林漁業団体が必要とする前条各号に掲げる資金に対して都道府県が補助を行うに要する経費に対し、毎年度、予算の範囲内において、政令の定めるところにより、補助金を交付することができる。

第六条  第四条の規定により資金の融通を受け又は前条の規定により補助金の交付を受けて発電施設又は送電配電施設を造成、復旧又は取得しようとする農林漁業団体は、都道府県知事を経由して、次に掲げる事項を記載した事業計画書を農林水産大臣に提出しなければならない。
 第二条第二項各号の事項
 当該事業の実施者
 当該施設による受益範囲
 当該施設の利用上必要となる電気の供給又は発生した電気の託送若しくは売買に関する事項
 その他農林水産省令で定める事項

第七条  農林水産大臣は、第四条の規定により資金の融通を受け、又は第五条の規定により補助金の交付を受けて発電施設又は送電配電施設を造成、復旧若しくは取得しようとする農林漁業団体に対し、当該施設の建設に関し、当該施設を造成、復旧又は取得したこれらの農林漁業団体に対しては当該施設の維持、管理又は利用に関し、政令の定めるところにより、必要な事項について指導しなければならない。

第八条  前条の指導の事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。
 政府は、毎年度、予算の範囲内で、政令の定めるところにより、都道府県に対して、第二条第二項の調査及び前項の事務を行うために必要な経費の一部を補助することができる。

第九条  農林漁業団体で当該農山漁村につき電気の導入の事業を行おうとする者は、その造成、復旧若しくは取得しようとする発電施設又は送電配電施設の利用上必要な電気の供給又は発生する電気の託送若しくは売買について、電気事業者に協議を求めることができる。
 前項に規定する協議がととのわないとき又は協議することができないときは、当該農林漁業団体は、当該事業の公益性及び緊急性について農林水産大臣の認定を受けた上、政令の定めるところにより、経済産業大臣に裁定を求めることができる。但し、認定を受けた日から二箇月を経過したときは、この限りでない。
 裁定は、公聴会を開いて当事者及び利害関係人の意見を聴いて、前項の申請があつた日から百二十日以内になされなければならない。
 経済産業大臣は、裁定にあたつては、左に掲げる基準によつてしなければならない。
 電気の供給については、当該農林漁業団体が真に必要とする最低量をこえず、発生した電気の託送又は売買については、当該施設を維持するため真にやむを得ない程度をこえないこと。
 電気事業者の電気の供給、設備、経理その他の事情を考慮し、一般需要者及び電気事業者に不当な負担を課さないこと。
 裁定は、その申請の範囲をこえることができない。
 経済産業大臣は、裁定の効力に期限を附することができる。
 経済産業大臣は、裁定をしようとするときは、農林水産大臣に協議しなければならない。
 第二項の裁定の通知が当事者になされたときは、裁定の定めるところにより、当事者間に協議がととのつたものとみなす。
 裁定の後において、事情の変更その他新たな事由が生じたときは、当事者の一方は協議の内容の変更又は解除について、経済産業大臣に裁定を求めることができる。この場合においては、第三項から前項までの規定を準用する。

第十条  前条第二項若しくは第九項の裁定において定める電気の供給又は発生する電気の託送若しくは売買の対価又は料金の額に不服がある当事者は、同条第八項の通知を受けた日から六月以内に訴えをもつてその増減を請求することができる。
 前項の訴えにおいては、裁定の際の他の一方の当事者又はその承継人を被告とする。

第十一条  政府は、この法律の目的を達成するため、土地改良法 (昭和二十四年法律第百九十五号)の規定により施行される土地改良事業がかんがい排水施設(えん堤及び水路をいう。)を伴う場合において、当該土地改良事業と発電事業との調整、必要な資金の確保等発電水力の開発について、適切な措置を講じなければならない。

電気事業法 との関係)
第十二条  この法律は、電気事業法 の適用を排除するものではない。

   附 則 抄

 この法律は、公布の日から施行する。

   附 則 (昭和二七年一二月二九日法律第三五五号) 抄

 この法律は、公布の日から施行する。但し、附則第八項から附則第十一項まで、附則第二十項及び附則第二十一項の規定は、公庫の成立の時から施行する。

   附 則 (昭和二八年三月一八日法律第一七号) 抄

 この法律は、公布の日から施行する。

   附 則 (昭和二八年七月二二日法律第七二号) 抄

 この法律は、公布の日から施行する。
 この法律は、昭和三十八年三月三十一日限りその効力を失う。

   附 則 (昭和二九年三月三一日法律第五一号) 抄

 この法律は、昭和二十九年四月一日から施行する。

   附 則 (昭和三四年三月二四日法律第三七号)

 この法律は、公布の日から施行する。
   附 則 (昭和三九年六月八日法律第九八号) 抄

 この法律は、公布の日から施行する。

   附 則 (昭和三九年七月一一日法律第一七〇号) 抄

 この法律は、公布の日から起算して一年をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。

   附 則 (昭和四七年五月一三日法律第三一号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から施行する。

   附 則 (昭和五三年七月五日法律第八七号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から施行する。

   附 則 (平成五年一一月一二日法律第八九号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。

(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
第二条  この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。


   附 則 (平成一一年七月一六日法律第八七号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日

(国等の事務)
第百五十九条  この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。

(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条  この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。

(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条  施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(手数料に関する経過措置)
第百六十二条  施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第百六十三条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
 附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。

(検討)
第二百五十条  新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。

第二百五十一条  政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

第二百五十二条  政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。

   附 則 (平成一六年六月九日法律第八四号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(検討)
第五十条  政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成一九年五月二五日法律第五八号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成二十年十月一日から施行する。

(罰則に関する経過措置)
第八条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第九条 経過措置)
第二十三条  この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第二十四条  附則第二条から前条まで及び附則第三十六条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。