森林国営保険法

森林国営保険法
(昭和十二年三月三十一日法律第二十五号)


最終改正:平成二〇年六月六日法律第五七号

第一条  政府ハ本法ニ依リ森林保険ヲ行フ

第二条  森林保険ニ於テハ政府ガ森林ニ付火災ニ因リテ生ズルコトアルベキ損害気象上ノ原因ニ因ル災害(風害水害雪害干害凍害及潮害ニ限ル)ニ因リテ生ズルコトアルベキ損害及噴火ニ因ル災害ニ因リテ生ズルコトアルベキ損害ヲ填補スルコトヲ約シ保険契約者ガ対償トシテ政府ニ保険料ヲ支払フコトヲ約スルモノトス
○2 保険料ニ関スル事項ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム

第三条  保険ノ目的タル森林ハ人工ニ依リ生立セシメタル樹木ノ集団トス

第四条  被保険者ハ保険ノ目的ノ所有者ニ限ル

第五条  保険料ハ保険契約ノ申込ト同時ニ保険期間ノ全部ニ対シ之ヲ払込ムベシ但シ保険期間ガ一年ヲ超ユル場合ニ在リテハ之ヲ分割シテ払込ムコトヲ得
○2 前項但書ノ規定ニ依リ保険料ヲ分割シテ払込ム場合ニ在リテハ当該保険料期間ノ開始ニ至ル迄ニ之ヲ払込ムベシ其ノ払込ヲ怠リタルトキハ保険契約ハ爾後其ノ効力ヲ失フ

第六条  政府保険契約ノ申込ヲ承諾シタルトキハ保険証書ヲ作成シ之ヲ保険契約者ニ交付ス
○2 保険証書ニ記載スベキ事項ハ農林水産省令ヲ以テ之ヲ定ム

第七条  保険契約ニ因ル政府ノ責任ハ特約アル場合ヲ除クノ外保険証書作成ノ日ノ翌日ニ始マル

第八条  保険契約者又ハ被保険者ノ詐欺ニ因ル保険契約ハ之ヲ無効トス

第九条  同一ノ目的ノ全部又ハ一部ニ付保険契約ノ申込ノ当時他ノ保険契約存スルトキ又ハ保険契約ノ申込後他ノ保険契約ヲ締結シタルトキ若ハ他ノ保険契約ヲ変更シタルトキハ之ヲ政府ニ申告スベシ同一ノ目的ノ全部又ハ一部ニ付第三者ノ締結シタル保険契約ノ存スルコト又ハ其ノ変更アリタルコトヲ知リタルトキ亦同ジ
○2 前項ノ申告ヲ怠リタルトキハ政府ハ損害ヲ填補スル責ニ任ゼザルコトヲ得

第十条  保険金額ハ政令ヲ以テ定ムル標準ニ依リ算出シタル金額(標準金額)ヲ超ユルコトヲ得ズ
○2 保険金額ガ標準金額ヲ超過シタルトキハ其ノ超過シタル部分ニ付テハ保険契約ハ之ヲ無効トス

第十一条  同一ノ目的ニ付本法ニ依ル保険契約ノ外他ノ保険契約存スル場合ニ於テ保険金額ノ総額ガ保険価額ヲ超過シタルトキハ政府ノ負担額ハ本法ニ依ル保険契約ノ保険金額ト他ノ保険契約ノ保険金額トノ割合ニ依リテ之ヲ定ム但シ其ノ政府ノ負担額ガ損害額ヨリ他ノ保険者ノ負担額ヲ控除シタル残額ヲ超ユル場合ニ於テハ其ノ残額ヲ以テ政府ノ負担額トス

第十一条ノ二  前条本文ニ規定スル場合ニ於テ他ノ保険者ニ対スル権利ノ抛棄ハ政府ノ権利義務ニ影響ヲ及ボサズ

第十二条  保険証書ニ記載シタル事項ト異リタル事実アル為保険料トシテ払込ミタル金額ガ正当ニ払込ムベキ保険料ニ達セザルトキハ払込ミタル保険料ノ正当ニ払込ムベキ保険料ニ対スル割合ニ依リ保険金額ヲ減額ス

第十五条  左ノ場合ニ於テハ政府ハ損害ヲ填補スル責ニ任ゼズ
 損害ガ保険契約者又ハ被保険者ノ故意又ハ重大ナル過失ニ因リテ生ジタルトキ
 保険契約者又ハ被保険者ガ損害ノ生ジタルコトヲ知リテ其ノ通知ヲ怠リタルトキ
 損害ガ戦争其ノ他ノ変乱又ハ地震ニ因リテ生ジタルトキ
 填補スベキ額ガ少額ト認メラルル場合ニシテ農林水産省令ヲ以テ定ムル場合

第十六条  被保険者ハ其ノ負担ニ於テ損害ノ防止ニ力ムルコトヲ要ス

第十七条  保険契約ハ他人ノ為ニモ之ヲ締結スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ被保険者ハ当然其ノ契約ノ利益ヲ享受ス

第十八条  保険ノ目的ヲ取得シタル者ハ保険契約ニ因リテ生ジタル権利義務ヲ承継ス

第十九条  保険期間中危険ガ著シク増加シタルトキハ政府ハ政令ノ定ムル所ニ依リ保険契約ノ解除ヲ為スコトヲ得但シ其ノ解除ハ将来ニ向テノミ其ノ効力ヲ生ズ
○2 保険期間中危険ガ著シク増加シタルトキハ保険契約者又ハ被保険者ハ農林水産省令ノ定ムル所ニ依リ遅滞ナク之ヲ通知スベシ若シ其ノ通知ヲ怠リタルトキハ政府ハ危険増加ノ時ヨリ保険契約ガ其ノ効力ヲ失ヒタルモノト看做スコトヲ得
○3 政府ニ於テ前項ノ通知ヲ受ケ又ハ危険ノ増加ヲ知リタル後遅滞ナク契約ノ解除ヲ為サザルトキハ其ノ契約ヲ承認シタルモノトス

第二十条  削除

第二十一条  削除

第二十二条  保険契約者被保険者又ハ保険金ニ付権利ヲ有スル者ガ森林保険ニ関スル事項ニ付政府ニ対シテ民事訴訟ヲ提起スルニハ農林漁業保険審査会ノ審査ヲ経ルコトヲ要ス
○2 前項ノ審査ノ申立ハ時効ノ中断ニ関シテハ之ヲ裁判上ノ請求ト看做ス

第二十三条  本法ニ依ル森林保険ニ関スル書類ニハ印紙税ヲ課セズ

第二十三条ノ二  保険事務ノ一部ハ政令ノ定ムル所ニ依リ都道府県知事又ハ市町村長ガ行フコトトスルコトヲ得
○2 保険契約ニ関スル事務ヲ都道府県知事ガ行フ場合ニ於テハ政府ハ政令ノ定ムル所ニ依リ其ノ費用ヲ負担ス
○3 保険料受取ノ事務ヲ市町村長ガ行フ場合ニ於テハ政府ハ其ノ受取リタル保険料ノ百分ノ五ニ相当スル金額ヲ其ノ市町村ニ交付ス

第二十四条  政府ハ政令ノ定ムル所ニ依リ保険事務ノ一部ヲ森林組合又ハ森林組合連合会ヲシテ取扱ハシムルコトヲ得
○2 政府保険料受取ノ事務ヲ森林組合又ハ森林組合連合会ヲシテ取扱ハシムル場合ニ於テハ其ノ受取リタル保険料ノ百分ノ五ニ相当スル金額ヲ其ノ森林組合又ハ森林組合連合会ニ交付ス

第二十五条  保険法 (平成二十年法律第五十六号)第四条 、第十条、第十四条乃至第十六条、第十八条、第十九条、第二十一条、第二十三条第一項(第一号ニ係ル部分ニ限ル)、第二十五条、第二十七条、第二十八条、第三十条、第三十一条第一項及第二項(第二号ヲ除ク)、第三十二条(第一号ニ係ル部分ニ限ル)並ニ第九十五条ノ規定ハ本法ニ依ル森林保険ニ之ヲ準用ス

   附 則

○1 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
○2 本法ハ勅令ヲ以テ指定スル地区ニ之ヲ施行セズ

   附 則 (昭和一六年三月六日法律第三五号) 抄

第三十七条  本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ之ヲ定ム

   附 則 (昭和二三年七月九日法律第一一四号) 抄

 この法律は、公布の日から、これを施行する。

   附 則 (昭和二七年三月三一日法律第二五号)

 この法律は、昭和二十七年四月一日から施行する。
 この法律の施行の際現に存する保険契約については、なお従前の例による。

   附 則 (昭和二八年八月一五日法律第二一三号) 抄

 この法律は、昭和二十八年九月一日から施行する。
 この法律施行前従前の法令の規定によりなされた許可、認可その他の処分又は申請、届出その他の手続は、それぞれ改正後の相当規定に基いてなされた処分又は手続とみなす。

   附 則 (昭和三六年三月二五日法律第四号) 抄

 この法律は、昭和三十六年四月一日から施行する。
 この法律の施行の際現に存する保険契約であつて、その時における残存保険期間が三月に満たないものについては、なお従前の例による。
 この法律の施行の際現に存する保険条約であつて前項に規定するもの以外のものについては、昭和三十六年五月三十一日までは、なお従前の例による。
 前項に規定する保険契約であつて、同項に規定する期日までにその保険契約者から、農林省令で定めるところにより、都道府県知事に対しその契約を次項の規定により変更することを希望しない旨の申請があつたものについては、前項に規定する期日経過後においても、なお従前の例による。
 附則第三項に規定する保険条約であつて前項に規定するもの以外のものについては、昭和三十六年六月一日午前零時において、政府とのその保険契約者との間に、当該保険契約に係る保険の目的たる森林につき、火災によつて生ずべき損害のほか、気象上の原因による災害(風害、水害、雪害、干害、凍害及び潮害に限る。)によつて生ずべき損害(以下「気象災害による損害」という。)をも政府においててん補する旨の約定の変更が行なわれたものとする。
 前項の場合には、当該保険契約については、保険料の額は従前の額と同額とし、気象災害による損害に係る政府のてん補額を計算する場合における保険金額は政令で定めるところにより計算した金額とする。
 附則第五項の場合には、当該保険契約については、政府の気象災害による損害をてん補する責任は、同項に規定する時から始まるものとする。
 改正後の第十五条第四号の規定は、附則第五項に規定する保険契約についても、適用する。

   附 則 (昭和三七年九月一五日法律第一六一号) 抄

 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。
 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。
 この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。
 前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。
 第三項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
 この法律の施行前にされた行政庁の処分で、この法律による改正前の規定により訴願等をすることができるものとされ、かつ、その提起期間が定められていなかつたものについて、行政不服審査法による不服申立てをすることができる期間は、この法律の施行の日から起算する。
 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
、その時において、政府とその保険契約者との間に、当該保険契約に係る保険の目的たる森林につき、当該保険契約において政府がてん補することを約した損害(森林火災国営保険法の一部を改正する法律(昭和三十六年法律第四号)附則第五項の規定により約定の変更が行われたことによりてん補することとされた損害を含む。)のほか、噴火による災害によつて生ずべき損害(以下「噴火災害による損害」という。)をも政府においててん補する旨の約定の変更が行われたものとする。
 前項の場合には、当該保険契約については、政府の噴火災害による損害をてん補する責任は、同項に規定する時から始まるものとする。

   附 則 (昭和五三年五月二三日法律第五五号) 抄

(施行期日等)
 この法律は、公布の日から施行する。
(経過措置)
 この法律の施行前に、改正前の森林国営保険法、農業災害補償法、漁船損害補償法若しくは漁業災害補償法又はこれらの法律に基づく命令の規定により、森林保険審査会、農業共済再保険審査会、漁船再保険審査会又は漁業共済保険審査会がした審査の請求の受理、審査の決定その他の手続は、改正後の農林省設置法若しくは同法に基づく命令又は改正後の森林国営保険法、農業災害補償法、漁船損害補償法若しくは漁業災害補償法の規定により農林漁業保険審査会がした審査の請求の受理、審査の決定その他の手続とみなす。

   附 則 (平成一一年七月一六日法律第八七号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日

(国等の事務)
第百五十九条  この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。

(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条  この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらにその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。

(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条  施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(手数料に関する経過措置)
第百六十二条  施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第百六十三条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
 附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。

(検討)
第二百五十条  新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。

第二百五十一条  政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

第二百五十二条  政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。

   附 則 (平成二〇年六月六日法律第五七号)

 この法律は、保険法の施行の日から施行する。