確定給付企業年金法

確定給付企業年金法
(平成十三年六月十五日法律第五十号)


最終改正:平成二四年八月二二日法律第六三号

(最終改正までの未施行法令)
平成二十四年八月二十二日法律第六十三号(未施行)
 

 第一章 総則(第一条・第二条)
 第二章 確定給付企業年金の開始
  第一節 通則(第三条)
  第二節 規約の承認(第四条―第七条)
  第三節 企業年金基金(第八条―第二十四条)
 第三章 加入者(第二十五条―第二十八条)
 第四章 給付
  第一節 通則(第二十九条―第三十五条)
  第二節 老齢給付金(第三十六条―第四十条)
  第三節 脱退一時金(第四十一条・第四十二条)
  第四節 障害給付金(第四十三条―第四十六条)
  第五節 遺族給付金(第四十七条―第五十一条)
  第六節 給付の制限(第五十二条―第五十四条)
 第五章 掛金(第五十五条―第五十八条)
 第六章 積立金の積立て及び運用(第五十九条―第六十八条)
 第七章 行為準則(第六十九条―第七十三条)
 第八章 確定給付企業年金間の移行等(第七十四条―第八十二条)
 第九章 確定給付企業年金の終了及び清算(第八十三条―第九十一条)
 第九章の二 企業年金連合会による中途脱退者等に係る措置(第九十一条の二―第九十一条の八)
 第十章 確定給付企業年金についての税制上の措置(第九十二条)
 第十一章 雑則(第九十三条―第百六条)
 第十二章 他の年金制度との間の移行等
  第一節 確定給付企業年金と厚生年金基金との間の移行等(第百七条―第百十六条)
  第二節 確定給付企業年金から確定拠出年金への移行等(第百十七条―第百十七条の四)
 第十三章 罰則(第百十八条―第百二十三条)
 附則

   第一章 総則

第一条  この法律は、少子高齢化の進展、産業構造の変化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、事業主が従業員と給付の内容を約し、高齢期において従業員がその内容に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定給付企業年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

第二条  この法律において「確定給付企業年金」とは、厚生年金適用事業所の事業主が、単独で又は共同して、次章から第十一章までの規定に基づいて実施する年金制度をいう。
 この法律において「厚生年金適用事業所」とは、厚生年金保険法 (昭和二十九年法律第百十五号)第六条第一項 の適用事業所及び同条第三項 の認可を受けた適用事業所をいう。
 この法律において「被用者年金被保険者等」とは、次に掲げる者をいう。
 厚生年金保険の被保険者
 私立学校教職員共済法 (昭和二十八年法律第二百四十五号)の規定による私立学校教職員共済制度の加入者
 この法律において「企業年金基金」とは、前条の目的を達成するため、確定給付企業年金の加入者(以下「加入者」という。)に必要な給付を行うことを目的として、次章の規定に基づき設立された社団をいう。

   第二章 確定給付企業年金の開始

    第一節 通則

第三条  厚生年金適用事業所の事業主は、確定給付企業年金を実施しようとするときは、確定給付企業年金を実施しようとする厚生年金適用事業所に使用される被用者年金被保険者等の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、当該被用者年金被保険者等の過半数で組織する労働組合がないときは当該被用者年金被保険者等の過半数を代表する者の同意を得て、確定給付企業年金に係る規約(以下「規約」という。)を作成し、次の各号のいずれかに掲げる手続を執らなければならない。
 当該規約について厚生労働大臣の承認を受けること。
 企業年金基金(以下「基金」という。)の設立について厚生労働大臣の認可を受けること。
 確定給付企業年金は、一の厚生年金適用事業所について一に限り実施することができる。ただし、政令で定める場合においては、この限りでない。
 二以上の厚生年金適用事業所について確定給付企業年金を実施しようとする場合においては、第一項の同意は、各厚生年金適用事業所について得なければならない。

    第二節 規約の承認

(規約で定める事項該規約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
 確定給付企業年金を実施する厚生年金適用事業所(以下「実施事業所」という。)の事業主(第八条、第十二条第一項第五号、第十四条、第七十七条第四項、第七十八条第一項及び第三項、第八十六条第五号、第九十条第四項及び第五項、第九十七条、第百十一条第一項並びに第百十七条第四項及び第五項を除き、以下「事業主」という。)の名称及び住所
 実施事業所の名称及び所在地(厚生年金保険法第六条第一項第三号 に規定する船舶(以下「船舶」という。)の場合にあっては、同号 に規定する船舶所有者の名称及び所在地)
 事業主が第六十五条第一項の規定により締結した契約の相手方(以下「資産管理運用機関」という。)及び事業主が同条第二項の規定により投資一任契約(金融商品取引法 (昭和二十三年法律第二十五号)第二条第八項第十二号 ロに規定する契約をいう。以下同じ。)を締結した金融商品取引業者(同法第二条第九項 に規定する金融商品取引業者をいう。以下「契約金融商品取引業者」という。)の名称及び住所
 実施事業所に使用される被用者年金被保険者等が加入者となることについて一定の資格を定める場合にあっては、当該資格に関する事項
 確定給付企業年金の給付(以下「給付」という。)の種類、受給の要件及び額の算定方法並びに給付の方法(給付のうち年金として支給されるもの(以下「年金給付」という。)の支給期間及び支払期月に関する事項を含む。)に関する事項
 掛金の拠出に関する事項(加入者が掛金を負担する場合にあっては、当該負担に関する事項を含む。)
 事業年度その他財務に関する事項
 終了及び清算に関する事項
 その他政令で定める事項

第五条  厚生労働大臣は、第三条第一項第一号の承認の申請があった場合において、当該申請に係る規約が次に掲げる要件に適合すると認めるときは、同号の承認をするものとする。
 前条各号に掲げる事項が定められていること。
 前条第四号に規定する資格を定めた場合にあっては、当該資格は、当該実施事業所において実施されている厚生年金基金その他政令で定める年金制度及び退職手当制度(第十二条第一項第二号において「企業年金制度等」という。)が適用される者の範囲に照らし、特定の者について不当に差別的なものでないこと。
 第二十九条第一項各号に掲げる老齢給付金及び脱退一時金の支給を行うために必要な事項が定められていること。
 規約の内容がこの法律及びこの法律に基づく命令その他関係法令に違反するものでないこと。
 その他政令で定める要件
 厚生労働大臣は、第三条第一項第一号の承認をしたときは、速やかに、その旨をその申請をした事業主に通知しなければならない。
 事業主は、第三条第一項第一号の承認を受けたときは、遅滞なく、同号の承認を受けた規約を実施事業所に使用される被用者年金被保険者等に周知させなければならない。

第六条  事業主は、第三条第一項第一号の承認を受けた規約の変更(厚生労働省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、その変更について厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
 前項の変更の承認の申請は、実施事業所に使用される被用者年金被保険者等の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、当該被用者年金被保険者等の過半数で組織する労働組合がないときは当該被用者年金被保険者等の過半数を代表する者の同意を得て行わなければならない。
 前項の場合において、実施事業所が二以上であるときは、同項の同意は、各実施事業所について得なければならない。ただし、第一項の変更がすべての実施事業所に係るものでない場合であって、規約において、あらかじめ、当該変更に係る事項を定めているときは、当該変更に係る実施事業所について前項の同意があったときは、当該変更に係る実施事業所以外の実施事業所についても同項の同意があったものとみなすことができる。
 前条の規定は、第一項の変更の承認の申請があった場合について準用する。

第七条  事業主は、第三条第一項第一号の承認を受けた規約の変更であって前条第一項の厚生労働省令で定める軽微なものをしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。ただし、第四条第三号に掲げる事項その他厚生労働省令で定める事項の変更については、この限りでない。
 第五条第三項並びに前条第二項及び第三項の規定は、前項の変更について準用する。ただし、当該変更が同項に規定する厚生労働省令で定める軽微な変更のうち特に軽微なものとして厚生労働省令で定めるものである場合においては、同条第二項及び第三項の規定は、準用しない。

    第三節 企業年金基金

第八条  基金は、実施事業所の事業主及びその実施事業所に使用される加入者の資格を取得した者をもって組織する。

第九条  基金は、法人とする。
 基金の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。

第十条  基金は、その名称中に企業年金基金という文字を用いなければならない。
 基金でない者は、企業年金基金という名称を用いてはならない。

第十一条  第三条第一項第二号の基金の設立の認可を受けようとするときは、規約において、第四条第二号及び第四号から第七号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。
 名称
 事務所の所在地
 代議員及び代議員会に関する事項
 役員に関する事項
 その他政令で定める事項

第十二条  厚生労働大臣は、第三条第一項第二号の設立の認可の申請があった場合において、当該申請が次に掲げる要件に適合すると認めるときは、同号の認可をするものとする。
 前条の規定により規約において定めることとされている事項が定められていること。
 規約に第四条第四号に規定する資格を定めた場合にあっては、当該資格は、当該実施事業所において実施されている企業年金制度等が適用される者の範囲に照らし、特定の者について不当に差別的なものでないこと。
 規約に第二十九条第一項各号に掲げる老齢給付金及び脱退一時金の支給を行うために必要な事項が定められていること。
 当該申請に係る事業所において、常時政令で定める数以上の加入者となるべき被用者年金被保険者等を使用していること、又は使用すると見込まれること(次号に掲げる場合を除く。)。
 厚生年金適用事業所の事業主が共同して基金を設立しようとする場合にあっては、当該事業主の当該申請に係る事業所において、合算して、常時政令で定める数以上の加入者となるべき被用者年金被保険者等を使用していること、又は使用すると見込まれること。
 規約の内容がこの法律及びこの法律に基づく命令その他関係法令に違反するものでないこと。
 その他政令で定める要件
 第五条第二項及び第三項の規定は、第三条第一項第二号の認可について準用する。この場合において、第五条第三項中「同号の承認を受けた規約」とあるのは、「基金の規約」と読み替えるものとする。

第十三条  基金は、設立の認可を受けた時に成立する。

第十四条  基金が成立したときは、理事長が選任されるまでの間、基金の設立の認可の申請をした事業主が、理事長の職務を行う。この場合において、当該事業主は、この法律の規定の適用については、理事長とみなす。

第十五条  基金は、政令で定めるところにより、基金の名称、事務所の所在地、役員の氏名その他政令で定める事項を公告しなければならない。

第十六条  基金は、規約の変更(厚生労働省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、その変更について厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
 前項の規約の変更は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
 第五条第二項及び第三項並びに第十二条第一項の規定は、第一項の変更の認可について準用する。この場合において、第五条第二項及び第三項中「事業主」とあるのは、「基金」と読み替えるものとする。

第十七条  基金は、規約の変更であって前条第一項の厚生労働省令で定める軽微なものをしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。ただし、厚生労働省令で定める事項の変更については、この限りでない。
 第五条第三項の規定は、前項の変更の届出について準用する。この場合において、同条第三項中「事業主」とあるのは、「基金」と読み替えるものとする。

第十八条  基金に、代議員会を置く。
 代議員会は、代議員をもって組織する。
 代議員の定数は、偶数とし、その半数は事業主において事業主(その代理人を含む。)及び実施事業所に使用される者のうちから選定し、他の半数は加入者において互選する。

第十九条  次に掲げる事項は、代議員会の議決を経なければならない。
 規約の変更
 毎事業年度の予算
 毎事業年度の事業報告及び決算
 その他規約で定める事項
 代議員会は、監事に対し、基金の業務に関する監査を求め、その結果の報告を請求することができる。

第二十条  前二条に定めるもののほか、代議員会の招集、議事の手続その他代議員及び代議員会に関し必要な事項は、政令で定める。

第二十一条  基金に、役員として理事及び監事を置く。
 理事の定数は、偶数とし、その半数は事業主において選定した代議員において、他の半数は加入者において互選した代議員において、それぞれ互選する。
 理事のうち一人を理事長とし、事業主において選定した代議員である理事のうちから、理事が選挙する。
 監事は、代議員会において、事業主において選定した代議員及び加入者において互選した代議員のうちから、それぞれ一人を選挙する。
 監事は、理事又は基金の職員と兼ねることができない。

第二十二条  理事長は、基金を代表し、その業務を執行する。理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、事業主において選定した代議員である理事のうちから、あらかじめ理事長が指定する者がその職務を代理し、又はその職務を行う。
 基金の業務は、規約に別段の定めがある場合を除くほか、理事の過半数により決し、可否同数のときは、理事長の決するところによる。
 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して、給付に充てるべき積立金の管理及び運用に関する基金の業務を執行することができる。
 監事は、基金の業務を監査する。
 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は代議員会に意見を提出することができる。

第二十三条  基金と理事長(前条第一項の規定により理事長の職務を代理し、又はその職務を行う者を含む。以下この条において同じ。)との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合においては、監事が基金を代表する。

第二十四条  前三条に定めるもののほか、役員に関し必要な事項は、政令で定める。

   第三章 加入者

第二十五条  実施事業所に使用される被用者年金被保険者等は、加入者とする。
 実施事業所に使用される被用者年金被保険者等が加入者となることについて規約で一定の資格を定めたときは、当該資格を有しない者は、前項の規定にかかわらず、加入者としない。

第二十六条  加入者は、次の各号のいずれかに該当するに至ったときに、加入者の資格を取得する。
 実施事業所に使用されるに至ったとき。
 その使用される事業所若しくは事務所(以下「事業所」という。)又は船舶が、実施事業所となったとき。
 実施事業所に使用される者が、被用者年金被保険者等となったとき。
 実施事業所に使用される者が、規約により定められている資格を取得したとき。

第二十七条  加入者は、次の各号のいずれかに該当するに至ったときに、加入者の資格を喪失する。
 死亡したとき。
 実施事業所に使用されなくなったとき。
 その使用される事業所又は船舶が、実施事業所でなくなったとき。
 被用者年金被保険者等でなくなったとき。
 規約により定められている資格を喪失したとき。

第二十八条  加入者である期間(以下「加入者期間」という。)を計算する場合には、月によるものとし、加入者の資格を取得した月から加入者の資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。ただし、規約で別段の定めをした場合にあっては、この限りでない。
 加入者の資格を喪失した後、再びもとの確定給付企業年金の加入者の資格を取得した者については、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、当該確定給付企業年金における前後の加入者期間を合算することができる。
 第一項の規定にかかわらず、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、当該確定給付企業年金の加入者の当該確定給付企業年金の加入者となる前の期間を加入者期間に算入することができる。

   第四章 給付

    第一節 通則

第二十九条  事業主(基金を設立して実施する確定給付企業年金(以下「基金型企業年金」という。)を実施する場合にあっては、基金。以下「事業主等」という。)は、次に掲げる給付を行うものとする。
 老齢給付金
 脱退一時金
 事業主等は、規約で定めるところにより、前項各号に掲げる給付に加え、次に掲げる給付を行うことができる。
 障害給付金
 遺族給付金

第三十条  給付を受ける権利(以下「受給権」という。)は、その権利を有する者(以下「受給権者」という。)の請求に基づいて、事業主等が裁定する。
 事業主は、前項の規定により裁定をしたときは、遅滞なく、その内容を資産管理運用機関に通知しなければならない。
 資産管理運用機関又は基金(以下「資産管理運用機関等」という。)は、第一項の規定による裁定に基づき、その請求をした者に給付の支給を行う。

第三十一条  給付を受けるための要件は、規約で定めるところによる。
 前項に規定する要件は、この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反するものであってはならず、かつ、特定の者について不当に差別的なものであってはならない。

第三十二条  給付の額は、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより算定した額とする。
 前項に規定する給付の額は、加入者期間又は当該加入者期間における給与の額その他これに類するものに照らし、適正かつ合理的なものとして政令で定める方法により算定されたものでなければならず、かつ、特定の者について不当に差別的なものであってはならない。

第三十三に支給するものでなければならない。

第三十四条  受給権は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、老齢給付金、脱退一時金及び遺族給付金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。
 租税その他の公課は、障害給付金として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。

第三十五条  この章に定めるもののほか、給付に関し必要な事項は、政令で定める。

    第二節 老齢給付金

第三十六条  老齢給付金は、加入者又は加入者であった者が、規約で定める老齢給付金を受けるための要件を満たすこととなったときに、その者に支給するものとする。
 前項に規定する規約で定める要件は、次に掲げる要件(第四十一条第二項第二号において「老齢給付金支給開始要件」という。)を満たすものでなければならない。
 六十歳以上六十五歳以下の規約で定める年齢に達したときに支給するものであること。
 政令で定める年齢以上前号の規約で定める年齢未満の規約で定める年齢に達した日以後に実施事業所に使用されなくなったときに支給するものであること(規約において当該状態に至ったときに老齢給付金を支給する旨が定められている場合に限る。)。
 前項第二号の政令で定める年齢は、五十歳未満であってはならない。
 規約において、二十年を超える加入者期間を老齢給付金の給付を受けるための要件として定めてはならない。

第三十七条  前条に規定する老齢給付金の支給の要件を満たす者であって老齢給付金の支給を請求していないものは、規約で定めるところにより、事業主等に当該老齢給付金の支給の繰下げの申出をすることができる。
 前項の申出をした者に対する老齢給付金の支給は、前条第一項の規定にかかわらず、規約で定める時から始めるものとする。

第三十八条  老齢給付金は、年金として支給する。
 老齢給付金は、規約でその全部又は一部を一時金として支給することができることを定めた場合には、前項の規定にかかわらず、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、一時金として支給することができる。

第三十九条  老齢給付金の受給権者が、障害給付金を支給されたときは、第三十六条第一項の規定にかかわらず、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、老齢給付金の額の全部又は一部につき、その支給を停止することができる。

第四十条  老齢給付金の受給権は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、消滅する。
 老齢給付金の受給権者が死亡したとき。
 老齢給付金の支給期間が終了したとき。
 老齢給付金の全部を一時金として支給されたとき。

    第三節 脱退一時金

第四十一条  脱退一時金は、加入者が、第二十七条第二号から第五号までのいずれかに該当し、かつ、その他の規約で定める脱退一時金を受けるための要件を満たすこととなったときに、その者に支給するものとする。
 前項に規定する規約で定める要件は、次に掲げる要件を満たすものでなければならない。
 加入者であって規約で定める老齢給付金を受けるための要件を満たさないもの(次号に規定する者を除く。)に支給するものであること。
 加入者であって規約で定める老齢給付金を受けるための要件のうち老齢給付金支給開始要件以外の要件を満たすものに支給するものであること(規約において当該状態に至ったときに脱退一時金を支給する旨が定められている場合に限る。)。
 前項第一号に係る脱退一時金を受けるための要件として、規約において、三年を超える加入者期間を定めてはならない。
 第一項に規定する脱退一時金を受けるための要件を満たす者(第二十七条第二号、第四号又は第五号のいずれかに該当することとなった者に限る。)は、規約で定めるところにより、事業主等に当該脱退一時金の全部又は一部の支給の繰下げの申出をすることができる。

第四十二条  脱退一時金は、一時金として支給する。

    第四節 障害給付金

第四十三条  障害給付金は、規約において障害給付金を支給することを定めている場合に、規約で定めるところにより、次の各号のいずれかに該当する者に支給するものとする。
 疾病にかかり、又は負傷し、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)につき初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下この項において「初診日」という。)において加入者であった者であって、初診日から起算して一年六月を経過した日(その期間内にその傷病が治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)があるときは、その日。次号において「障害認定日」という。)から第三十六条第二項第一号の規約で定める年齢に達するまでの間において、その傷病により規約で定める程度の障害の状態に該当するに至ったもの
 疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病(以下この号において「基準傷病」という。)に係る初診日において加入者であった者であって、基準傷病以外の傷病により障害の状態にあるものが、基準傷病に係る障害認定日から第三十六条第二項第一号の規約で定める年齢に達するまでの間において、初めて、基準傷病による障害と他の障害とを併合して規約で定める程度の障害の状態に該当するに至ったもの
 前項各号に規定する規約で定める程度の障害の状態は、厚生年金保険法第四十七条第二項 に規定する一級、二級及び三級の障害等級のうち政令で定めるものの範囲内でなければならない。

第四十四条  障害給付金は、規約で定めるところにより、年金又は一時金として支給するものとする。

第四十五条  障害給付金は、受給権者が第四十三条第一項各号に規定する規約で定める程度の障害の状態に該当しなくなったときは、その障害の状態に該当しない間、その支給を停止するものとする。
 障害給付金の受給権者が、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、第四十三条第一項の規定にかかわらず、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、障害給付金の全部又は一部の支給を停止することができる。
 老齢給付金を支給されたとき。
 脱退一時金を支給されたとき。
 当該傷病について労働基準法 (昭和二十二年法律第四十九号)第七十七条 の規定による障害補償、労働者災害補償保険法 (昭和二十二年法律第五十号)の規定による障害補償給付若しくは障害給付又は船員保険法 (昭和十四年法律第七十三号)による障害を支給事由とする給付を受ける権利を取得したとき。

第四十六条  障害給付金の受給権は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、消滅する。
 障害給付金の受給権者が死亡したとき。
 障害給付金の支給期間が終了したとき。
 障害給付金の全部を一時金として支給されたとき。

    第五節 遺族給付金

第四十七条  遺族給付金は、規約において遺族給付金を支給することを定めている場合であって、加入者又は当該確定給付企業年金の老齢給付金の支給を受けている者その他政令で定める者のうち規約で定めるもの(以下この章において「給付対象者」という。)が死亡したときに、その者の遺族に支給するものとする。

第四十八条  遺族給付金を受けることができる遺族は、次に掲げる者のうち規約で定めるものとし、遺族給付金を受けることができる遺族の順位(第五十一条第二項において「順位」という。)は、規約で定めるところによる。
 配偶者(届出をしていないが、給付対象者の死亡の当時事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)
第四十九条  遺族給付金は、規約で定めるところにより、年金又は一時金として支給するものとする。

第五十条  老齢給付金又は障害給付金の給付を受けている者が死亡したときにその遺族に対し年金として支給する遺族給付金の支給期間については、当該老齢給付金又は障害給付金の支給期間として規約において一定の期間を定めていた場合は、第三十三条ただし書の規定にかかわらず、五年未満とすることができる。ただし、当該老齢給付金又は障害給付金の支給期間のうち給付を受けていない期間を下回ることができない。

第五十一条  遺族給付金の受給権は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、消滅する。
 遺族給付金の受給権者が死亡したとき。
 遺族給付金の支給期間が終了したとき。
 遺族給付金の全部を一時金として支給されたとき。
 前項の規定にかかわらず、遺族給付金の受給権者が死亡したときは、規約で定めるところにより、当該受給権者の次の順位の遺族に遺族給付金を支給することができる。
 遺族給付金の受給権は、規約で定めるところにより、受給権者が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、消滅するものとすることができる。
 婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。
 直系血族及び直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったとき。
 離縁により、給付対象者との親族関係が終了したとき。

    第六節 給付の制限

第五十二条  加入者又は加入者であった者が、故意に、障害又はその直接の原因となった事故を生じさせたときは、当該障害を支給事由とする障害給付金は、支給しないものとする。

第五十三条  故意の犯罪行為により給付対象者を死亡させた者には、遺族給付金は、支給しないものとする。給付対象者の死亡前に、その者の死亡によって遺族給付金を受けるべき者を故意の犯罪行為により死亡させた者についても、同様とする。

第五十四条  加入者又は加入者であった者が、自己の故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、障害若しくは死亡若しくはこれらの原因となった事故を生じさせ、若しくはその障害の程度を増進させ、又はその回復を妨げたとき、その他政令で定める場合には、規約で定めるところにより、給付の全部又は一部を行わないことができる。

   第五章 掛金

第五十五条  事業主は、給付に関する事業に要する費用に充てるため、規約で定めるところにより、年一回以上、定期的に掛金を拠出しなければならない。
 加入者は、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、前項の掛金の一部を負担することができる。
 掛金の額は、規約で定めるところにより算定した額とする。
 前項に規定する掛金の額は、次の要件を満たすものでなければならない。
 加入者のうち特定の者につき、不当に差別的なものであってはならないこと。
 定額又は給与に一定の割合を乗ずる方法その他適正かつ合理的な方法として厚生労働省令で定めるものにより算定されるものであること。

第五十六条  事業主は、前条第一項の掛金を、規約で定める日までに資産管理運用機関等に納付するものとする。
 事業主は、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、掛金を金銭に代えて金融商品取引法第二条第十六項 に規定する金融商品取引所に上場されている株式で納付することができる。ただし、事業主が当該株式を基金に納付する場合にあっては、当該基金の同意を得たときに限る。
 資産管理運用機関等が、中小企業退職金共済法 (昭和三十四年法律第百六十号)第十七条第一項 の規定に基づき、独立行政法人勤労者退職金共済機構から同項 に規定する厚生労働省令で定める金額の引渡しを受けたときは、当該金額については、前条及び第一項の規定により事業主が拠出した掛金とみなす。

第五十七条  掛金の額は、給付に要する費用の額の予想額及び予定運用収入の額に照らし、厚生労働省令で定めるところにより、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように計算されるものでなければならない。

第五十八条  事業主等は、少なくとも五年ごとに前条の基準に従って掛金の額を再計算しなければならない。
 事業主等は、前項の規定にかかわらず、加入者の数が著しく変動した場合その他の厚生労働省令で定める場合は、前条の基準に従って、速やかに、掛金の額を再計算しなければならない。

   第六章 積立金の積立て及び運用

第五十九条  事業主等は、毎事業年度の末日において、給付に充てるべき積立金(以下「積立金」という。)を積み立てなければならない。

第六十条  積立金の額は、加入者及び加入者であった者(以下「加入者等」という。)に係る次項に規定する責任準備金の額及び第三項に規定する最低積立基準額を下回らない額でなければならない。
 責任準備金の額は、当該事業年度の末日における給付に要する費用の額の予想額の現価から掛金収入の額の予想額の現価を控除した額を基準として、厚生労働省令で定めるところにより算定した額とする。
 最低積立基準額は、加入者等の当該事業年度の末日までの加入者期間に係る給付として政令で定める基準に従い規約で定めるものに要する費用の額の予想額を計算し、これらの予想額の合計額の現価として厚生労働省令で定めるところにより算定した額とする。

 事業主等は、毎事業年度の決算において、積立金の額が前条第二項に規定する責任準備金の額(以下「責任準備金の額」という。)及び同条第三項に規定する最低積立基準額(以下「最低積立基準額」という。)を上回っているかどうかを計算しなければならない。

第六十二条  事業主等は、前条の規定による計算の結果、積立金の額が、責任準備金の額に照らし厚生労働省令で定めるところにより算定した額を下回っている場合には、厚生労働省令で定めるところにより、第五十七条の基準に従って掛金の額を再計算しなければならない。

第六十三条  事業主は、第六十一条の規定による計算の結果、積立金の額が最低積立基準額を下回っている場合には、当該下回った額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した額を、厚生労働省令で定めるところにより掛金として拠出しなければならない。

第六十四条  事業主等は、毎事業年度の決算において、積立金の額が次項に規定する積立上限額を上回っている場合には、当該上回った額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した額を、第五十五条第三項に定めるところにより算定した掛金の額から厚生労働省令で定めるところにより控除しなければならない。この場合において、当該控除すべき額が同項に定めるところにより算定した掛金の額以上となったときは、当該事業主等に係る掛金については、同条第一項の規定は、適用しない。
 積立上限額は、当該確定給付企業年金の財政の安定性を長期間にわたって確実に確保することができる積立金の水準を上回る額として、厚生労働省令で定めるところにより算定するものとする。

第六十五条  第三条第一項第一号の承認を受けた事業主は、政令で定めるところにより、積立金の管理及び運用について、次の各号のいずれかに掲げる契約を締結しなければならない。
 信託会社(信託業法 (平成十六年法律第百五十四号)第三条 又は第五十三条第一項 の免許を受けたものに限る。以下同じ。)又は信託業務を営む金融機関を相手方とする信託の契約
 生命保険会社(保険業法 (平成七年法律第百五号)第二条第三項 に規定する生命保険会社及び同条第八項 に規定する外国生命保険会社等をいう。以下同じ。)を相手方とする生命保険の契約
 農業協同組合連合会(全国を地区とし、農業協同組合法 (昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第十号 の事業のうち生命共済の事業を行うものに限る。以下同じ。)を相手方とする生命共済の契約
 事業主は、前項第一号に規定する信託の契約に係る信託財産の運用に関して、政令で定めるところにより、金融商品取引業者(金融商品取引法第二条第九項 に規定する金融商品取引業者をいう。次項並びに次条第三項及び第四項において同じ。)と投資一任契約を締結することができる。
 第一項各号に規定する者又は前項に規定する金融商品取引業者は、正当な理由がある場合を除き、資産管理運用契約(第一項の規定により締結される同項各号に掲げる契約又は前項の規定により締結される投資一任契約をいう。以下同じ。)の締結を拒絶してはならない。
 資産管理運用機関が欠けることとなるときは、事業主は、別に資産管理運用契約(第一項各号に掲げる契約に限る。以下この条において同じ。)の相手方となるべき者を定めて、資産管理運用契約を締結しなければならない。
 資産管理運用契約が解除されたときは、当該解除された資産管理運用契約に係る資産管理運用機関は、速やかに、当該資産管理運用契約に係る積立金を事業主が定めた資産管理運用機関に移換しなければならない。

第六十六条  基金は、政令で定めるところにより、積立金の運用に関して、前条第一項各号のいずれかに掲げる契約又は投資一任契約を締結しなければならない。
 基金は、前項の規定により投資一任契約を締結する場合においては、当該投資一任契約に係る積立金の運用について、政令で定めるところにより、信託会社又は信託業務を営む金融機関と運用方法を特定する信託の契約を締結しなければならない。
 信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会又は金融商品取引業者は、正当な理由がある場合を除き、前二項に規定する契約の締結を拒絶してはならない。
 基金は、第一項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、金融機関又は金融商品取引業者(金融商品取引法第二十八条第一項 に規定する第一種金融商品取引業を行う者に限る。)その他の政令で定めるもの(次項において「金融機関等」という。)を相手方として契約を締結し、預金又は貯金の預入、有価証券の売買その他政令で定める方法により積立金を運用することができる。
 基金は、前項に規定する有価証券の売買その他政令で定める方法により積立金を運用する場合においては、金融機関等と当該運用に係る積立金の管理の委託に関する契約を締結しなければならない。

第六十七条  積立金の運用は、政令で定めるところにより、安全かつ効率的に行わなければならない。

第六十八条  この章に定めるもののほか、積立金の積立て及び運用に関し必要な事項は、政令で定める。

   第七章 行為準則

第六十九条  事業主は、法令、法令に基づいてする厚生労働大臣の処分及び規約を遵守し、加入者等のため忠実にその業務を遂行しなければならない。
 自己又は加入者等以外の第三者の利益を図る目的をもって、資産管理運用契約を締結すること。
 積立金の運用に関し特定の方法を指図することその他積立金の管理及び運用の適正を害するものとして厚生労働省令で定める行為

第七十条  基金の理事は、法令、法令に基づいてする厚生労働大臣の処分、規約及び代議員会の議決を遵守し、基金のため忠実にその業務を遂行しなければならない。
 基金の理事は、次に掲げる行為をしてはならない。
 自己又は当該基金以外の第三者の利益を図る目的をもって、第六十六条第一項、第二項、第四項及び第五項に規定する契約(以下「基金資産運用契約」という。)を締結すること。
 自己又は当該基金以外の第三者の利益を図る目的をもって、積立金の運用に関し特定の方法を指図することその他積立金の管理及び運用の適正を害するものとして厚生労働省令で定める行為
 基金の理事が第二十二条第三項に規定する基金の業務についてその任務を怠ったときは、その理事は、基金に対して連帯して損害賠償の責めに任ずる。
 基金は、この条の規定に違反した理事を、規約で定めるところにより、代議員会の議決を経て、交代させることができる。

第七十一条  資産管理運用機関(契約金融商品取引業者を含む。)は、法令及び資産管理運用契約を遵守し、加入者等のため忠実にその業務を遂行しなければならない。

第七十二条  基金が締結した基金資産運用契約の相手方は、法令及び基金資産運用契約を遵守し、基金のため忠実にその業務を遂行しなければならない。

第七十三条  事業主等は、厚生労働省令で定めるところにより、その確定給付企業年金に係る業務の概況について、加入者に周知させなければならない。
 事業主等は、前項に規定する業務の概況について、加入者以外の者であって事業主等が給付の支給に関する義務を負っているものにも、できる限り同様の措置を講ずるよう努めるものとする。

   第八章 確定給付企業年金間の移行等

第七十四条  確定給付企業年金(基金型企業年金を除く。以下「規約型企業年金」という。)を実施する事業主は、厚生労働大臣の承認を受けて、当該規約型企業年金を他の規約型企業年金と統合することができる。
 前項の承認の申請は、実施事業所に使用される被用者年金被保険者等の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、当該被用者年金被保険者等の過半数で組織する労働組合がないときは当該被用者年金被保険者等の過半数を代表する者の同意(第七十八条において「労働組合等の同意」という。)を得て行わなければならない。
 前項の場合において、実施事業所が二以上であるときは、同項の同意は、各実施事業所について得なければならない。
 第一項の規定により統合された規約型企業年金の規約は、同項の承認があった時に、第三条第一項第一号の承認を受けたものとみなす。
 第一項に規定する当該規約型企業年金及び他の規約型企業年金の規約は、同項の承認があった時に、その効力を失う。

第七十五条  規約型企業年金を共同して実施している事業主は、厚生労働大臣の承認を受けて、当該規約型企業年金を分割することができる。
 前項の規定により分割された規約型企業年金の規約は、同項の承認があった時に、第三条第一項第一号の承認を受けたものとみなす。
 第一項に規定する規約型企業年金の規約は、同項の承認があった時に、その効力を失う。
 前条第二項及び第三項の規定は、第一項の承認の申請を行う場合について準用する。

第七十六条  基金は、合併しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
 前項の認可の申請は、代議員会における代議員の定数の四分の三以上の多数による議決を経て行わなければならない。
 合併によって基金を設立するには、各基金がそれぞれ代議員会において役員又は代議員のうちから選任した設立委員が共同して規約を作り、その他設立に必要な行為をしなければならない。
 合併により設立された基金又は合併後存続する基金は、合併により消滅した基金の権利義務を承継する。

第七十七条  基金は、分割しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
 基金の分割は、実施事業所の一部について行うことはできない。
 分割を行う場合においては、分割により設立される基金の加入者となるべき被用者年金被保険者等又は分割後存続する基金の加入者である被用者年金被保険者等の数が、第十二条第一項第四号(基金を共同して設立している場合にあっては、同項第五号)の政令で定める数以上であるか、又は当該数以上となることが見込まれなければならない。
 分割によって基金を設立するには、分割により設立される基金の実施事業所となるべき厚生年金適用事業所の事業主が規約を作り、その他設立に必要な行為をしなければならない。
 分割により設立された基金は、分割により消滅した基金又は分割後存続する基金の権利義務の一部を承継する。
 前項の規定により承継する権利義務の限度は、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
 前条第二項の規定は、第一項及び前項の認可の申請を行う場合について準用する。

第七十八条  事業主等がその実施事業所を増加させ、又は減少させようとするときは、その増加又は減少に係る厚生年金適用事業所の事業主の全部の同意及び労働組合等の同意を得なければならない。
 前項の規定により基金が当該実施事業所を減少させるときは、基金の加入者の数が、実施事業所を減少させた後においても、第十二条第一項第四号(基金を共同して設立している場合にあっては、同項第五号)の政令で定める数以上であるか、又は当該数以上となることが見込まれなければならない。
 承継事業主等は、前項の申出があったときは、厚生労働大臣の承認(承継確定給付企業年金が基金型企業年金である場合にあっては、認可)を受けて、同項の権利義務を承継することができる。
 前項の規定により承継事業主等が権利義務を承継する場合においては、移転確定給付企業年金の資産管理運用機関等から承継確定給付企業年金の資産管理運用機関等に積立金を移換するものとする。
 第七十四条第二項及び第三項の規定は、移転事業主等(移転確定給付企業年金が規約型企業年金である場合に限る。)が第一項の承認の申請を行う場合及び承継事業主等(承継確定給付企業年金が規約型企業年金である場合に限る。)が第二項の承認の申請を行う場合について準用する。
 第七十六条第二項の規定は、移転事業主等(移転確定給付企業年金が基金型企業年金である場合に限る。)が第一項の認可の申請を行う場合及び承継事業主等(承継確定給付企業年金が基金型企業年金である場合に限る。)が第二項の認可の申請を行う場合について準用する。

第八十条  規約型企業年金の事業主は、当該事業主(規約型企業年金を共同して実施している場合にあっては、当該規約型企業年金を実施している事業主の全部)が基金を設立しているとき、又は設立することとなるときは、厚生労働大臣の承認を受けて、当該基金に、当該規約型企業年金の加入者等に係る給付の支給に関する権利義務の移転を申し出ることができる。
 当該基金は、前項の申出があったときは、厚生労働大臣の認可を受けて、同項の権利義務を承継することができる。
 当該規約型企業年金は、前項の認可があった時に第八十四条第一項の規定による規約型企業年金の終了の承認があったものとみなす。この場合において、第八十七条、第八十八条並びに第八十九条第六項及び第立している場合にあっては、当該基金を設立している事業主の全部)が規約型企業年金を実施しているとき、又は実施することとなるときは、厚生労働大臣の認可を受けて、当該規約型企業年金の事業主に、当該基金の加入者等に係る給付の支給に関する権利義務の移転を申し出ることができる。
 当該規約型企業年金の事業主は、前項の申出があったときは、厚生労働大臣の承認を受けて、同項の権利義務を承継することができる。
 当該基金は、前項の承認があった時に第八十五条第一項の規定による基金の解散の認可があったものとみなす。この場合において、第八十七条、第八十八条並びに第八十九条第六項及び第七項の規定は、適用しない。
 第二項の規定により当該規約型企業年金の事業主が権利義務を承継する場合においては、当該基金から当該規約型企業年金の資産管理運用機関に積立金及び第八十九条第六項に規定する残余財産を移換するものとする。
 第七十六条第二項の規定は第一項の認可の申請を行う場合について、第七十四条第二項及び第三項の規定は第二項の承認の申請を行う場合について、それぞれ準用する。

第八十一条の二  確定給付企業年金(以下この条において「移換元確定給付企業年金」という。)の中途脱退者(当該確定給付企業年金の加入者の資格を喪失した者(当該加入者の資格を喪失した日において当該確定給付企業年金の事業主等が支給する老齢給付金の受給権を有する者を除く。)であって、政令で定めるところにより計算したその者の当該確定給付企業年金の加入者であった期間が政令で定める期間に満たないものをいう。以下この条、第九十一条の二、第九十三条の二第一項第一号、第百十五条の二及び第百十七条の二において同じ。)は、他の確定給付企業年金(以下この条において「移換先確定給付企業年金」という。)の加入者の資格を取得した場合であって、移換先確定給付企業年金の規約において、あらかじめ、移換元確定給付企業年金の資産管理運用機関等から脱退一時金の額に相当する額(以下この条、第九十一条の二、第九十三条の二第一項第一号、第百十五条の二及び第百十七条の二において「脱退一時金相当額」という。)の移換を受けることができる旨が定められているときは、移換元確定給付企業年金の事業主等に脱退一時金相当額の移換を申し出ることができる。
 移換元確定給付企業年金の資産管理運用機関等は、前項の申出があったときは、移換先確定給付企業年金の資産管理運用機関等に当該申出に係る脱退一時金相当額を移換するものとする。
 移換先確定給付企業年金の事業主等は、前項の規定により移換先確定給付企業年金の資産管理運用機関等が脱退一時金相当額の移換を受けたときは、当該移換金を原資として、規約で定めるところにより、当該中途脱退者に対し、第二十九条第一項各号及び第二項各号に掲げる給付(以下「老齢給付金等」という。)の支給を行うものとする。
 移換元確定給付企業年金の事業主等は、第二項の規定により移換元確定給付企業年金の資産管理運用機関等が脱退一時金相当額を移換したときは、当該中途脱退者に係る脱退一時金の支給に関する義務を免れる。
 移換先確定給付企業年金の事業主等は、第三項の規定により老齢給付金等の支給を行うこととなったときは、その旨を当該中途脱退者に通知しなければならない。

第八十二条  この章に定めるもののほか、規約型企業年金の統合及び分割、基金の合併及び分割、実施事業所の増減、確定給付企業年金間の権利義務の移転及び承継並びに脱退一時金相当額の移換に関し必要な事項は、政令で定める。

   第九章 確定給付企業年金の終了及び清算

第八十三条  規約型企業年金は、次の各号のいずれかに該当するに至った場合に終了する。
 次条第一項の規定による終了の承認があったとき。
 第八十六条の規定により規約の承認の効力が失われたとき。
 第百二条第三項又は第六項の規定により規約の承認が取り消されたとき。
 基金は、次の各号のいずれかに該当するに至った場合に解散する。この場合において、当該基金型企業年金は、終了したものとする。
 第八十五条第一項の認可があったとき。
 第百二条第六項の規定による基金の解散の命令があったとき。

第八十四条  事業主は、実施事業所に使用される被用者年金被保険者等の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、当該被用者年金被保険者等の過半数で組織する労働組合がないときは当該被用者年金被保険者等の過半数を代表する者の同意を得たときは、厚生労働大臣の承認を受けて、規約型企業年金を終了することができる。
 前項の場合において、実施事業所が二以上であるときは、同項の同意は、各実施事業所について得なければならない。
 第五条第二項及び第三項の規定は、第一項の終了の承認があった場合について準用する。この場合において、同条第三項中「承認を受けた規約」とあるのは、「承認を受けた旨」と読み替えるものとする。

第八十五条  基金は、代議員会において代議員の定数の四分の三以上の多数により議決したとき、又は基金の事業の継続が不可能となったときは、厚生労働大臣の認可を受けて、解散することができる。
 第五条第二項及び第三項の規定は、前項の解散の認可があった場合について準用する。この場合において、同条第三項中「承認を受けた規約」とあるのは、「認可を受けた旨」と読み替えるものとする。

第八十六条  事業主(確定給付企業年金を共同して実施している場合にあっては、当該確定給付企業年金を実施している事業主の全部)が次の各号のいずれかに該当するに至った場合は、その実施する規約型企業年金の規約の承認は、その効力を失う。この場合において、それぞれ当該各号に定める者は、当該各号に該当するに至った日(第一号の場合にあっては、その事実を知った日)から三十日以内に、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
 事業主が死亡したとき その相続人
 法人が合併により消滅したとき その法人を代表する役員であった者
 法人が破産手続開始の決定により解散したとき その破産管財人
 法人が合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散したとき その清算人
 厚生年金適用事業所の事業主でなくなったとき(前各号に掲げる場合を除く。) 厚生年金適用事業所の事業主であった個人又は厚生年金適用事業所の事業主であった法人を代表する役員

第八十七条  第八十三条の規定により確定給付企業年金が終了する場合において、当該終了する日における積立金の額が、当該終了する日を第六十条第三項に規定する事業年度の末日とみなして同項の規定に基づき算定した最低積立基準額を下回るときは、第五十五条第一項の規定にかかわらず、事業主は、当該下回る額を、掛金として一括して拠出しなければならない。

第八十八条  事業主等は、第八十三条の規定により確定給付企業年金が終了したときは、当該確定給付企業年金の加入者であった者に係る給付の支給に関する義務を免れる。ただし、終了した日までに支給すべきであった給付でまだ支給していないものの支給又は第八十一条の二第二項、第百十五条の二第二項若しくは第百十七条の二第二項の規定により終了した日までに移換すべきであった脱退一時金相当額でまだ移換していないものの移換に関する義務については、この限りでない。

第八十八条の二  解散した基金は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。

第八十九条  規約型企業年金が第八十三条第一項第一号又は第二号の規定により終了したときは、規約で定める者が、その清算人となる。
 基金が第八十三条第二項第一号の規定により解散したときは、理事が、その清算人となる。ただし、規約に別段の定めがあるとき、又は代議員会において他人を選任したときは、この限りでない。
 前二項の規定にかかわらず、事業主その他政令で定める者は、その実施する確定給付企業年金の清算人になることができない。
 次に掲げる場合には、厚生労働大臣が清算人を選任する。
 第一項又は第二項の規定により清算人となる者がないとき。
 規約型企業年金が第八十三条第一項第三号の規定により終了したとき、又は基金が同条第二項第二号の規定により解散したとき。
 清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるとき。
 前項の場合において、清算人の職務の執行に要する費用は、規約型企業年金においては事業主、基金型企業年金においては基金が負担する。
 終了した確定給付企業年金の残余財産(政令で定めるものを除く。)は、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、その終了した日において当該確定給付企業年金を実施する事業主等が給付の支給に関する義務を負っていた者(以下「終了制度加入者等」という。)に分配しなければならない。
 前項の規定により残余財産を分配する場合においては、終了制度加入者等に、その全額を支払うものとし、当該残余財産を事業主に引き渡してはならない。

第八十九条の二  清算人の職務は、次のとおりとする。
 現務の結了
 債権の取立て及び債務の弁済(規約型企業年金にあっては、確定給付企業年金に係るものに限る。)
 残余財産の分配
 清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。

第八十九条の三  清算人は、その就職の日から二月以内に、少なくとも三回の公告をもって、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。この場合において、その期間は、二月を下ることができない。
 前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない。
 清算人は、知れている債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。
 第一項の公告は、官報に掲載してする。

第八十九条の四  前条第一項の期間の経過後に申出をした債権者は、事業主等の債務(規約型企業年金にあっては、確定給付企業年金に係るものに限り、資産管理運用機関の債務を含む。)が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。

第九十条  厚生労働大臣は、終了した規約型企業年金又は解散した基金について必要があると認めるときは、その清算事務の状況に関する報告を徴し、又は当該職員をして当該終了した規約型企業年金に係る実施事業所若しくは基金の事務所に立ち入って関係者に質問させ、若しくは実地にその状況を検査させることができる。
 前項の規定によって質問を行う当該職員は、その身分を示す証票を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
 厚生労働大臣は、第一項の規定により報告を徴し、又は質問し、若しくは検査した場合において、その清算事務が法令、規約、若しくは厚生労働大臣の処分に違反していると認めるとき、その清算事務が著しく適正を欠くと認めるとき、又は清算人がその清算事務を明らかに怠っていると認めるときは、期間を定めて、終了した規約型企業年金を実施していた事業主若しくはその清算人又は解散した基金若しくはその清算人に対し、その清算事務について違反の是正又は改善のため必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。
 終了した規約型企業年金を実施していた事業主若しくはその清算人又は解散した基金若しくはその清算人が前項の命令に違反したときは、厚生労働大臣は、当該事業主又は基金に対し、期間を定めて、当該違反に係る清算人の全部若しくは一部の解任を命じることができる。

第九十一条  この章に定めるもののほか、確定給付企業年金の終了及び清算に関し必要な事項は、政令で定める。

   第九章の二 企業年金連合会による中途脱退者等に係る措置

第九十一条の二  確定給付企業年金の中途脱退者は、当該確定給付企業年金の事業主等に脱退一時金相当額の企業年金連合会(厚生年金保険法第百四十九条第一項 に規定する企業年金連合会をいう。以下「連合会」という。)への移換を申し出ることができる。
 当該確定給付企業年金の資産管理運用機関等は、前項の申出があったときは、連合会に当該申出に係る脱退一時金相当額を移換するものとする。
 連合会は、前項の規定により脱退一時金相当額の移換を受けたときは、当該移換金を原資として、政令で定めるところにより、当該中途脱退者又はその遺族に対し、老齢給付金又は遺族給付金(一時金として支給するものに限る。以下この条、次条、第九十一条の四第三項、第九十三条の二第一項及び第二項第一号、第百十五条の四第四項、第百十五条の五第四項並びに第百十七条の三第三項において同じ。)の支給を行うものとする。
 当該確定給付企業年金の事業主等は、第二項の規定により当該確定給付企業年金の資産管理運用機関等が脱退一時金相当額を移換したときは、当該中途脱退者に係る脱退一時金の支給に関する義務を免れる。
 連合会は、第三項の規定により老齢給付金又は遺族給付金の支給を行うこととなったときは、その旨を当該中途脱退者又はその遺族に通知しなければならない。
 連合会は、中途脱退者又はその遺族の所在が明らかでないため前項の通知をすることができないときは、同項の通知に代えて、その通知すべき事項を公告しなければならない。

第九十一条の三  終了制度加入者等(終了した確定給付企業年金の事業主等がその終了した日において老齢給付金の支給に関する義務を負っていた者に限る。以下この条及び第九十三条の二第一項第二号において同じ。)は、終了した確定給付企業年金の清算人に第八十九条第六項の規定により終了制度加入者等に分配すべき残余財産(以下「残余財産」という。)の連合会への移換を申し出ることができる。
 当該確定給付企業年金の資産管理運用機関等は、前項の申出があったときは、連合会に当該申出に係る残余財産を移換するものとする。
 連合会は、前項の規定により残余財産の移換を受けたときは、当該移換金を原資として、政令で定めるところにより、当該終了制度加入者等又はその遺族に対し、老齢給付金又は遺族給付金の支給を行うものとする。
 連合会が第二項の規定により残余財産の移換を受けたときは、第八十九条第六項の規定の適用については、当該残余財産は、当該終了制度加入者等に分配されたものとみなす。
 連合会は、第三項の規定により老齢給付金又は遺族給付金の支給を行うこととなったときは、その旨を当該終了制度加入者等又はその遺族に通知しなければならない。
 前条第六項の規定は、前項の規定による通知について準用する。

第九十一条の四  連合会が第九十三条の二第二項第一号に規定する業務を行っている場合にあっては、終了制度加入者等(当該確定給付企業年金が終了した日において障害給付金の受給権を有していた者に限る。以下この条及び第九十三条の二第二項第一号において同じ。)は、当該確定給付企業年金の清算人に残余財産の連合会への移換を申し出ることができる。
 当該確定給付企業年金の資産管理運用機関等は、前項の申出があったときは、連合会に当該申出に係る残余財産を移換するものとする。
 連合会は、前項の規定により残余財産の移換を受けたときは、当該移換金を原資として、政令で定めるところにより、当該終了制度加入者等又はその遺族に対し、障害給付金又は遺族給付金の支給を行うものとする。
 前条第四項及び第五項の規定は、第一項から第三項までの場合について準用する。この場合において、同条第四項中「第二項」とあるのは「次条第二項」と、同条第五項中「第三項」とあるのは「次条第三項」と、「老齢給付金」とあるのは「障害給付金」と、それぞれ読み替えるものとする。
 第九十一条の二第六項の規定は、前項において読み替えて準用する前条第五項の規定による通知について準用する。

第九十一条の五  連合会が第九十三条の二第二項第二号に規定する業務を行っている場合にあっては、終了制度加入者等(当該確定給付企業年金が終了した日において遺族給付金の受給権を有していた者に限る。以下この条及び第九十三条の二第二項第二号において同じ。)は、当該確定給付企業年金の清算人に残余財産の連合会への移換を申し出ることができる。
 前項の遺族は、当該終了制度加入者等に係る第四十八条各号に掲げる者とし、遺族給付金を受けることができる遺族の順位は連合会の規約で定めるところによる。この場合において、同条中「給付対象者」とあるのは、「第九十一条の五第一項に規定する終了制度加入者等」とする。
 第九十一条の三第四項及び第五項の規定は、第一項から第三項までの場合について準用する。この場合において、同条第四項中「第二項」とあるのは「第九十一条の五第二項」と、同条第五項中「第三項」とあるのは「第九十一条の五第三項」と、「老齢給付金又は遺族給付金」とあるのは「遺族給付金」と、それぞれ読み替えるものとする。
 第九十一条の二第六項の規定は、前項において読み替えて準用する第九十一条の三第五項の規定による通知について準用する。

第九十一条の六  連合会が支給する給付を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基づいて、連合会が裁定する。
 連合会は、前項の規定による裁定に基づき、その請求をした者に給付の支給を行う。

第九十一条の七  第三十一条、第三十三条、第三十四条第一項及び第三十五条の規定は連合会が支給する給付について、第三十六条第一項及び第二項(第二号を除く。)、第三十七条、第三十八条並びに第四十条の規定は連合会が支給する老齢給付金について、第四十七条、第四十八条、第五十三条及び第五十四条の規定は連合会が支給する第九十一条の二第三項、第九十一条の三第三項及び第九十一条の四第三項の遺族給付金について、第三十四条第二項、第四十四条、第四十六条、第五十二条及び第五十四条の規定は連合会が支給する障害給付金について、第五十九条、第六十条第一項及び第二項、第六十一条、第六十六条、第六十七条並びに第六十八条の規定はこの法律の規定による連合会の積立金の積立て及びその運用について、第七十二条の規定はこの法律の規定により連合会が締結した資産運用契約について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

第九十一条の八  この章に定めるもののほか、連合会による中途脱退者に係る措置及び終了制度加入者等に係る措置に関し必要な事項は、政令で定める。

   第十章 確定給付企業年金についての税制上の措置

第九十二条  確定給付企業年金に係る給付、掛金及び積立金については、所得税法 (昭和四十年法律第三十三号)、法人税法 (昭和四十年法律第三十四号)、相続税法 (昭和二十五年法律第七十三号)及び地方税法 (昭和二十五年法律第二百二十六号)並びにこれらの法律に基づく命令で定めるところにより、所得税、法人税、相続税並びに道府県民税(都民税を含む。)及び市町村民税(特別区民税を含む。)の課税について必要な措置を講ずる。

   第十一章 雑則

第九十三条  事業主等は、政令で定めるところにより、給付の支給及び掛金の額の計算に関する業務その他の業務(給付の支給を行うために必要となる加入者等に関する情報の収集、整理又は分析を含む。)を、信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会、連合会その他の法人に委託することができる。

第九十三条の二  連合会は、厚生年金保険法 の規定による業務のほか、次に掲げる業務を行うものとする。
 第九十一条の二第二項の規定により脱退一時金相当額の移換を受け、同条第三項の規定により中途脱退者又はその遺族について老齢給付金又は遺族給付金の支給を行うこと。
 第九十一条の三第二項の規定により残余財産の移換を受け、同条第三項の規定により終了制度加入者等又はその遺族について老齢給付金又は遺族給付金の支給を行うこと。
 連合会は、厚生年金保険法 及び前項の規定による業務のほか、次に掲げる業務を行うことができる。
 第九十一条の四第二項の規定により残余財産の移換を受け、同条第三項の規定により終了制度加入者等又はその遺族について障害給付金又は遺族給付金の支給を行うこと。
 第九十一条の五第二項の規定により残余財産の移換を受け、同条第三項又は第五項の規定により終了制度加入者等又はその遺族について遺族給付金の支給を行うこと。
 前条の規定による委託を受けて、事業主等の業務の一部を行うこと。

第九十三条の三  連合会は、この法律の規定により行う業務に係る経理については、その他の経理と区分して整理しなければならない。

第九十三条の四  第九十三条の二の規定により連合会が同条の業務を行う場合には、厚生年金保険法第百八十五条第五号 中「この章」とあるのは、「この章又は確定給付企業年金法」とするほか、同法の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

第九十四条  基金は、第四章に規定する給付を行うほか、加入者等の福祉を増進するため、規約で定めるところにより、加入者等の福利及び厚生に関する事業を行うことができる。

第九十五条  事業主等は、事業年度その他財務に関しては、この法律の規定によるほか、政令で定めるところによらなければならない。

第九十六条  事業主等は、適正な年金数理に基づいて、給付の設計、掛金の額の計算及び決算を行わなければならない。

第九十七条  この法律に基づき事業主等(第三条第一項各号若しくは第七十七条第四項の規定に基づき確定給付企業年金を実施しようとする事業主又は第七十六条第三項の規定に基づき合併により基金を設立しようとする設立委員を含む。)が厚生労働大臣に提出する年金数理に関する業務に係る書類であって厚生労働省令で定めるものについては、当該書類が適正な年金数理に基づいて作成されていることを厚生年金保険法第百七十六条の二第二項 に規定する年金数理人が確認し、署名押印したものでなければならない。

第九十八条  事業主等又は連合会は、必要があると認めるときは、受給権者に対して、障害の状態に関する書類その他の物件の提出を求めることができる。

第九十九条  受給権者が死亡したときは、戸籍法 (昭和二十二年法律第二百二十四号)の規定による死亡の届出義務者は、三十日以内に、その旨を事業主等又は連合会に届け出なければならない。

第百条  事業主等は、毎事業年度終了後四月以内に、厚生労働省令で定めるところにより、確定給付企業年金の事業及び決算に関する報告書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。
 事業主等は、前項の書類を確定給付企業年金の実施事業所又は基金の主たる事務所に備え付けて置かなければならない。
 加入者等は、事業主等に対し、前項の書類の閲覧を請求することができる。この場合において、事業主等は、正当な理由がある場合を除き、これを拒んではならない。

第百一条  厚生労働大臣は、この法律の施行に必要な限度において、事業主等に対し、確定給付企業年金の実施状況に関する報告を徴し、又は当該職員をして事業主等の事務所に立ち入って関係者に質問させ、若しくは実地にその状況を検査させることができる。
 第九十条第二項の規定は前項の規定による質問及び検査について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について準用する。

第百二条  厚生労働大臣は、前条の規定により報告を徴し、又は質問し、若しくは検査した場合において、事業主等の確定給付企業年金に係る事業の管理若しくは執行が法令、規約、若しくは厚生労働大臣の処分に違反していると認めるとき、事業主等の事業の管理若しくは執行が著しく適正を欠くと認めるとき、又は事業主若しくは基金の役員がその事業の管理若しくは執行を明らかに怠っていると認めるときは、期間を定めて、事業主又は基金若しくはその役員に対し、その事業の管理若しくは執行について違反の是正又は改善のため必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。
 厚生労働大臣は、規約型企業年金又は基金の健全な運営を確保するため必要があると認めるときは、期間を定めて、当該規約型企業年金に係る事業主又は基金に対し、その規約の変更を命ずることができる。
 事業主が前項の命令に違反したときは、厚生労働大臣は、当該規約型企業年金に係る規約の承認を取り消すことができる。
 基金若しくはその役員が第一項の命令に違反したとき、又は基金が第二項の命令に違反したときは、厚生労働大臣は、当該基金に対し、期間を定めて、当該違反に係る役員の全部又は一部の解任を命ずることができる。
 基金が前項の命令に違反したときは、厚生労働大臣は、同項の命令に係る役員を解任することができる。
 事業主若しくは基金が第一項の規定による命令に違反したとき、又はその確定給付企業年金の実施状況によりその継続が困難であると認めるときは、厚生労働大臣は、当該規約型企業年金に係る規約の承認を取り消し、又は基金の解散を命ずることができる。

第百三条  この法律又はこの法律に基づく命令に規定する期間の計算については、この法律に別段の規定がある場合を除くほか、民法 (明治二十九年法律第八十九号)の期間に関する規定を準用する。

第百四条  この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。
 前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。

第百五条  この法律に特別の規定があるものを除くほか、この法律の実施のための手続その他その執行について必要な細則は、厚生労働省令で定める。

第百六条  この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

   第十二章 他の年金制度との間の移行等

    第一節 確定給付企業年金と厚生年金基金との間の移行等

第百七条  事業主等は、確定給付企業年金の実施事業所(政令で定める場合にあっては、実施事業所の一部。以下この項において同じ。)が厚生年金基金の設立事業所(  当該厚生年金基金は、前項の申出があったときは、厚生労働大臣の認可を受けて、同項の権利義務を承継することができる。
 前項の認可の申請は、厚生年金保険法第百十七条第一項 の代議員会における同条第二項 の代議員の定数の四分の三以上の多数による議決を経て行わなければならない。
 第二項の規定により厚生年金基金が権利義務を承継する場合においては、当該確定給付企業年金の資産管理運用機関等から当該厚生年金基金に積立金を移換するものとする。
 第七十四条第二項及び第三項の規定は当該事業主等(当該確定給付企業年金が規約型企業年金である場合に限る。)が第一項の承認の申請を行う場合について、第七十六条第二項の規定は当該事業主等(当該確定給付企業年金が基金型企業年金である場合に限る。)が第一項の認可の申請を行う場合について、それぞれ準用する。

第百八条  規約型企業年金の事業主は、当該事業主(規約型企業年金を共同して実施している場合にあっては、当該規約型企業年金を実施している事業主の全部)が厚生年金基金を設立しているとき、又は設立することとなるときは、厚生労働大臣の承認を受けて、当該厚生年金基金に、当該規約型企業年金の加入者等に係る給付の支給に関する権利義務の移転を申し出ることができる。
 当該厚生年金基金は、前項の申出があったときは、厚生労働大臣の認可を受けて、同項の権利義務を承継することができる。
 前項の規定により厚生年金基金が権利義務を承継する場合においては、当該規約型企業年金の資産管理運用機関から当該厚生年金基金に積立金を移換するものとする。
 第八十条第三項の規定は、第一項に規定する当該規約型企業年金について準用する。この場合において、同条第三項中「前項」とあるのは、「第百八条第二項」と読み替えるものとする。
 第七十四条第二項及び第三項の規定は第一項の承認の申請を行う場合について、前条第三項の規定は第二項の認可の申請を行う場合について、それぞれ準用する。

第百九条  基金は、厚生年金保険法第百十一条第一項 の規定にかかわらず、厚生労働大臣の認可を受けて、厚生年金基金となることができる。
 前項の認可を受けようとするときは、基金は、厚生年金基金の規約(厚生年金保険法第百十一条第一項 に規定する規約をいう。)を作り、その他厚生年金基金の設立に必要な行為(同項 の規定による認可の申請を除く。)をしなければならない。
 厚生年金基金は、基金が第一項の認可を受けた時に成立する。
 基金は、第一項の認可の時において消滅し、その権利義務は、その時において成立した厚生年金基金が承継する。
 第七十六条第二項の規定は、第一項の認可の申請を行う場合について準用する。

第百十条  前三条の場合において、給付の支給に関する権利義務が厚生年金基金に承継される者であって当該厚生年金基金の加入員とならないものについては、厚生年金保険法第百三十一条 から第百三十三条の二 まで、第百三十五条並びに第百三十六条において準用する同法第三十六条第一項 及び第二項 の規定は、適用しない。

第百十条の二  厚生年金基金は、その設立事業所(政令で定める場合にあっては、設立事業所の一部。以下この項において同じ。)が確定給付企業年金の実施事業所となっているとき、又は実施事業所となるときは、厚生労働大臣の認可を受けて、当該確定給付企業年金の事業主等に、当該設立事業所に使用される当該厚生年金基金の加入員及び加入員であった者に係る給付(厚生年金保険法第百三十二条第二項 に規定する額に相当する給付(以下「厚生年金代行給付」という。)を除く。)の支給に関する権利義務の移転を申し出ることができる。
 前項の認可の申請は、厚生年金保険法第百十七条第一項 の代議員会における同条第二項 の代議員の定数の四分の三以上の多数による議決を経て行わなければならない。
 当該確定給付企業年金の事業主等は、第一項の申出があったときは、厚生労働大臣の承認(当該確定給付企業年金が基金型企業年金である場合にあっては、認可)を受けて、同項の権利義務を承継することができる。
 前項の規定により当該事業主等が権利義務を承継する場合においては、当該厚生年金基金から当該確定給付企業年金の資産管理運用機関等に積立金を移換するものとする。
 第七十四条第二項及び第三項の規定は当該事業主等(当該確定給付企業年金が規約型企業年金である場合に限る。)が第三項の承認の申請を行う場合について、第七十六条第二項の規定は当該事業主等(当該確定給付企業年金が基金型企業年金である場合に限る。)が第三項の認可の申請を行う場合について準用する。
 第三項の規定により権利義務が移転された当該設立事業所に使用される当該厚生年金基金の加入員及び加入員であった者は、厚生年金保険法第百四十九条第一項 に規定する解散基金加入員とみなす。この場合において、同法第百五十九条第四項第一号 、第百六十一条第四項から第八項まで及び第百六十二条の規定は適用せず、同法第百五十九条第一項 及び第百六十一条第一項 から第三項 までの規定の適用については、(厚生年金基金から規約型企業年金への移行)
第百十一条  厚生年金基金は、その設立事業所の事業主(厚生年金基金を共同して設立している場合にあっては、当該厚生年金基金を設立している事業主の全部)が規約型企業年金を実施しているとき、又は実施することとなるときは、厚生労働大臣の認可を受けて、当該規約型企業年金を実施する事業主に、当該厚生年金基金の加入員及び加入員であった者に係る給付(厚生年金代行給付を除く。)の支給に関する権利義務(当該厚生年金基金が第三項の規定により解散の認可があったものとみなされた日までに支給すべきであった給付であってまだ支給していないもの(第四項において「未支給給付」という。)の支給並びに徴収すべきであった掛金及び徴収金であってまだ徴収していないものの徴収に関する権利義務を除く。)の移転を申し出ることができる。
 当該規約型企業年金の事業主は、前項の申出があったときは、厚生労働大臣の承認を受けて、同項の権利義務を承継することができる。
 当該厚生年金基金は、前項の承認があったときに、厚生年金保険法第百四十五条第二項 の規定による解散の認可があったものとみなす。この場合において、同法第百四十七条第四項 、第百六十一条及び第百六十二条の規定は適用せず、同法第百三十八条第六項 及び第百四十六条 の規定の適用については、同法第百三十八条第六項 中「当該下回る額」とあるのは「当該下回る額のうち政令で定める額」と、同法第百四十六条 中「年金たる給付及び一時金たる給付」とあるのは「年金たる給付(第百三十二条第二項に規定する額に相当する給付に限る。)」とする。
 第二項の規定により当該規約型企業年金の事業主が権利義務を承継する場合においては、当該厚生年金基金から当該規約型企業年金の資産管理運用機関に年金給付等積立金(厚生年金保険法第百三十条の二第二項 に規定する年金給付等積立金であって、未支給給付及び第百十三条第一項の規定により政府が徴収することとなる同項に規定する責任準備金に相当する部分を除く。)及び同法第百四十七条第四項 に規定する残余財産を移換するものとする。
 第百七条第三項の規定は第一項の認可の申請を行う場合について、第七十四条第二項及び第三項の規定は第二項の承認の申請を行う場合について、それぞれ準用する。

第百十二条  厚生年金基金は、第三条第一項第二号の規定にかかわらず、厚生労働大臣の認可を受けて、基金となることができる。
 前項の認可を受けようとするときは、厚生年金基金は、基金の規約を作り、その他基金の設立に必要な行為(第三条第一項第二号の規定による認可の申請を除く。)をしなければならない。
 基金は、厚生年金基金が第一項の認可を受けた時に成立する。
 厚生年金基金は、第一項の認可の時において消滅し、その権利義務(厚生年金代行給付(消滅した日までに支給すべきであった給付を除く。)の支給に関する権利義務を除き、次条第一項の規定により同項に規定する責任準備金に相当する額を政府に納付する義務を含む。)は、その時において成立した基金が承継する。
 前項の規定により厚生年金基金が消滅したときは、消滅した厚生年金基金の権利義務を承継した基金を解散した厚生年金基金とみなして厚生年金保険法第百三十八条第六項 の規定を適用する。この場合において、同項 中「基金が解散する」とあるのは「基金が確定給付企業年金法第百十二条第四項の規定により消滅する」と、「当該解散する日」とあるのは「当該消滅する日」と、「当該基金」とあるのは「当該消滅した基金の権利義務を承継した企業年金基金」と、「当該下回る額」とあるのは「当該下回る額のうち政令で定める額」とする。
 第四項の規定により消滅した厚生年金基金が消滅した日までに支給すべきであった給付であってまだ支給していないものの支給並びに徴収すべきであった掛金及び徴収金であってまだ徴収していないものの徴収に関しては、同項の規定により権利義務を承継した基金を厚生年金基金とみなして、厚生年金保険法第百三十一条 から第百三十三条の二 まで、第百三十五条、第百三十六条、第百三十八条から第百四十一条まで、第百六十九条から第百七十二条まで、第百七十四条において準用する同法第九十八条第三項 及び(解散厚生年金基金等からの責任準備金相当額の徴収等)
第百十三条  政府は、厚生年金基金が第百十一条第三項の規定により解散の認可があったものとみなされたとき、又は前条第四項の規定により消滅したときは、その解散の認可があったものとみなされた日又は消滅した日において当該厚生年金基金が年金たる給付(厚生年金代行給付に限る。)の支給に関する義務を負っている者に係る厚生年金保険法第百六十一条第一項 に規定する責任準備金に相当する額を当該解散した厚生年金基金又は当該消滅した厚生年金基金の権利義務を承継した基金(以下「解散厚生年金基金等」という。)から徴収する。
 前項の場合において、政府が解散厚生年金基金等から徴収する徴収金は、厚生年金保険法第八十五条の二 の規定により政府が解散した連合会から徴収する徴収金とみなして、同法第八十六条第一項 、第二項及び第四項から第六項まで、第八十七条第六項、第八十八条、第八十九条、第九十一条から第九十一条の三まで、第九十二条第一項及び第三項、第百二条第二項、第百三条の二並びに第百四条の規定を適用する。

第百十四条  前条第一項の規定に基づき、政府が解散厚生年金基金等から同項に規定する責任準備金に相当する額を徴収する場合においては、解散厚生年金基金等は、政令で定めるところにより、厚生労働大臣の許可を得て、当該責任準備金に相当する額の一部について、国債、株式その他の有価証券であって政令で定めるものによる物納(以下この条において「物納」という。)をすることができる。
 前項の厚生労働大臣の許可の申請は、第百十一条第二項の厚生労働大臣の承認又は第百十二条第一項の厚生労働大臣の認可の申請と同時に行わなければならない。
 物納に充てることができる有価証券は、当該有価証券の種類に応じて、政令で定める単位ごとに、金融商品取引法第二条第八項第十一号 イに規定する有価証券指標(厚生労働省令で定めるものに限る。)の変動と一致するように運用することができるように組み合わされたものであることその他の厚生年金保険法第七十九条の二 に規定する積立金の安全かつ効率的な運用に資するものとして厚生労働省令で定める要件を満たすものでなければならない。
 第一項の許可に係る解散厚生年金基金等は、政令で定めるところにより、当該物納に係る有価証券を年金積立金管理運用独立行政法人又は年金積立金管理運用独立行政法人と資金の管理及び運用に関する契約を締結する者(以下この項において「年金積立金管理運用独立行政法人等」という。)に移換するものとする。この場合において、当該有価証券は、年金積立金管理運用独立行政法人等が年金積立金管理運用独立行政法人法 (平成十六年法律第百五号)第三条 に規定する年金積立金の管理及び運用のために取得したものとみなす。
 前項の場合において、当該有価証券の価額として政令で定めるところにより算定した額は、政令で定めるところにより、厚生年金保険法第七十九条の三第一項 の規定により厚生労働大臣が年金積立金管理運用独立行政法人に対し寄託したものとみなす。
 第四項の規定による有価証券の移換に伴う手数料その他の費用については、解散厚生年金基金等が負担するものとする。

第百十五条  第百七条第二項、第百八条第二項又は第百九条第四項の規定により規約型企業年金の加入者等に係る給付の支給に関する権利義務又は基金の権利義務を承継した厚生年金基金が支給する死亡を支給理由とする年金たる給付又は一時金たる給付(第百七条第二項、第百八条第二項又は第百九条第一項の認可を受けた日において当該規約型企業年金又は基金の遺族給付金の受給権を有する者に支給するものに限る。)については、当該年金たる給付又は一時金たる給付を遺族給付金とみなして、第三十四条の規定を適用し、厚生年金保険法第百三十六条 において準用する同法第四十一条 の規定は適用しない。
 第百十条の二第三項、第百十一条第二項又は第百十二条第四項の規定により厚生年金基金の権利義務を承継した事業主等が給付を行う遺族給付金(第百十条の二第三項の承認若しくは認可を受けた日、第百十一条第二項の承認を受けた日又は第百十二条第一項の認可を受けた日において当該厚生年金基金の死亡を支給理由とする年金たる給付又は一時金たる給付の受給権を有する者に支給するものに限る。)については、当該遺族給付金を厚生年金基金が支給する死亡を支給理由とする年金たる給付又は一時金たる給付とみなして、厚生年金保険法第百三十六条 において準用する同法第四十一条 の規定を適用し、第三十四条の規定は適用しない。

第百十五条の二  確定給付企業年金の中途脱退者は、厚生年金基金の加入員の資格を取得した場合であって、当該厚生年金基金の規約において、あらかじめ、当該確定給付企業年金の資産管理運用機関等から脱退一時金相当額の移換を受けることができる旨が定められているときは、当該確定給付企業年金の事業主等に脱退一時金相当額の移換を申し出ることができる。
 当該確定給付企業年金の資産管理運用機関等は、前項の申出があったときは、当該厚生年金基金に当該申出に係る脱退一時金相当額を移換するものとする。
 当該厚生年金基金は、前項の規定により脱退一時金相当額の移換を受けたときは、当該移換金を原資として、規約で定めるところにより、当該中途脱退者に対し、厚生年金保険法第百三十条第一項 から第三項 までに規定する給付(第五項及び第百十五条の五において「老齢年金給付等」という。)の支給を行うものとする。
 当該確定給付企業年金の事業主等は、第二項の規定により当該確定給付企業年金の資産管理運用機関等が脱退一時金相当額を移換したときは、当該中途脱退者に係る脱退一時金の支給に関する義務を免れる。
 当該厚生年金基金は、第三項の規定により老齢年金給付等の支給を行うこととなったときは、その旨を当該中途脱退者に通知しなければならない。

第百十五条の三  厚生年金基金の中途脱退者(厚生年金保険法第百四十四条の三第一項 に規定する中途脱退者をいう。以下この条において同じ。)は、確定給付企業年金の加入者の資格を取得した場合であって、当該確定給付企業年金の規約において、あらかじめ、当該厚生年金基金から脱退一時金(同条第五項に規定する脱退一時金をいう。第四項において同じ。)の額に相当する額(以下この条において「脱退一時金相当額」という。)の移換を受けることができる旨が定められているときは、当該厚生年金基金に脱退一時金相当額の移換を申し出ることができる。
 当該厚生年金基金は、前項の申出があったときは、当該確定給付企業年金の資産管理運用機関等に当該申出に係る脱退一時金相当額を移換するものとする。
 当該確定給付企業年金の事業主等は、前項の規定により当該確定給付企業年金の資産管理運用機関等が脱退一時金相当額の移換を受けたときは、当該移換金を原資として、規約で定めるところにより、当該中途脱退者に対し、老齢給付金等の支給を行うものとする。
 当該厚生年金基金は、第二項の規定により脱退一時金相当額を移換したときは、当該中途脱退者に係る脱退一時金の支給に関する義務を免れる。
 当該確定給付企業年金の事業主等は、第三項の規定により老齢給付金等の支給を行うこととなったときは、その旨を当該中途脱退者に通知しなければならない。

第百十五条の四  連合会が第九十一条の二第三項又は第九十一条の三第三項の規定により老齢給付金の支給に関する義務を負っている者(以下「中途脱退者等」という。)は、確定給付企業年金の加入者の資格を取得した場合であって、連合会及び当該確定給付企業年金の規約において、あらかじめ、連合会から当該確定給付企業年金の資産管理運用機関等に連合会の規約で定める積立金の移換ができる旨が定められているときは、連合会に当該積立金の移換を申し出ることができる。ただし、中途脱退者等が連合会が支給する老齢給付金の受給権を有するときは、この限りでない。
 連合会は、前項の申出があったときは、当該確定給付企業年金の資産管理運用機関等に当該申出に係る積立金を移換するものとする。
 当該確定給付企業年金の事業主等は、前項の規定により当該確定給付企業年金の資産管理運用機関等が積立金の移換を受けたときは、当該移換金を原資として、規約で定めるところにより、当該中途脱退者等に対し、老齢給付金等の支給を行うものとする。
 連合会は、第二項の規定により積立金を移換したときは、当該中途脱退者等に係る老齢給付金又は遺族給付金の支給に関する義務を免れる。
 当該確定給付企業年金の事業主等は、第三項の規定により老齢給付金等の支給を行うこととなったときは、その旨を当該中途脱退者等に通知しなければならない。

第百十五条の五  中途脱退者等は、厚生年金基金の加入員の資格を取得した場合であって、連合会及び当該厚生年金基金の規約において、あらかじめ、連合会から当該厚生年金基金に連合会の規約で定める積立金の移換ができる旨が定められているときは、連合会に当該積立金の移換を申し出ることができる。ただし、中途脱退者等が連合会が支給する老齢給付金の受給権を有するときは、この限りでない。
 連合会は、前項の申出があったときは、当該厚生年金基金に当該申出に係る積立金を移換するものとする。
第二節 確定給付企業年金から確定拠出年金への移行等

第百十七条  事業主等は、規約で定めるところにより、積立金の一部を、実施事業所の事業主が実施する企業型年金(確定拠出年金法 (平成十三年法律第八十八号)第二条第二項 に規定する企業型年金をいう。以下同じ。)における当該実施事業所に使用される加入者の個人別管理資産(同条第十二項 に規定する個人別管理資産をいう。以下同じ。)に充てる場合には、政令で定めるところにより、当該積立金の一部を、当該事業主等の資産管理運用機関等から当該企業型年金の資産管理機関(同条第七項第一号 ロに規定する資産管理機関をいう。以下同じ。)に移換することができる。
 前項の規約を定める場合には、当該企業型年金を実施する実施事業所の事業主の全部及び加入者のうち当該積立金の移換に係る加入者(以下この条において「移換加入者」という。)となるべき者の二分の一以上の同意並びに加入者のうち移換加入者となるべき者以外の者の二分の一以上の同意を得なければならない。
 前項の場合において、当該企業型年金が実施される実施事業所が二以上であるときは、同項の移換加入者となるべき者の同意は、各実施事業所について得なければならない。
 第八十三条の規定により終了した確定給付企業年金の事業主等は、規約で定めるところにより、残余財産の全部又は一部を、当該終了した確定給付企業年金に係る厚生年金適用事業所の事業主が実施する企業型年金における当該厚生年金適用事業所に使用される被用者年金被保険者等の個人別管理資産に充てる場合には、政令で定めるところにより、当該残余財産の全部又は一部を当該企業型年金の資産管理機関に移換することができる。この場合において、第八十九条第六項中「残余財産(政令で定めるものを除く。)」とあるのは、「残余財産(政令で定めるもの及び第百十七条第四項の規定により移換されたものを除く。)」とする。
 前各項に定めるもののほか、確定給付企業年金に係る厚生年金適用事業所の事業主が企業型年金を実施する場合における当該確定給付企業年金に関するこの法律その他の法令の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

第百十七条の二  確定給付企業年金の中途脱退者は、企業型年金加入者(確定拠出年金法第二条第八項 に規定する企業型年金加入者をいう。次条第一項において同じ。)又は個人型年金加入者(同法第二条第十項 に規定する個人型年金加入者をいう。次条第一項において同じ。)の資格を取得したときは、当該確定給付企業年金の事業主等に当該企業型年金の資産管理機関又は同法第二条第五項 に規定する連合会(以下この条及び次条において「国民年金基金連合会」という。)への脱退一時金相当額の移換を申し出ることができる。
 当該確定給付企業年金の資産管理運用機関等は、前項の申出があったときは、当該企業型年金の資産管理機関又は国民年金基金連合会に当該申出に係る脱退一時金相当額を移換するものとする。
 当該確定給付企業年金の事業主等は、前項の規定により当該確定給付企業年金の資産管理運用機関等が脱退一時金相当額を移換したときは、当該中途脱退者に係る脱退一時金の支給に関する義務を免れる。
 当該企業型年金の企業型記録関連運営管理機関等(確定拠出年金法第十七条 に規定する企業型記録関連運営管理機関等をいう。次条第四項において同じ。)又は国民年金基金連合会は、第二項の規定により脱退一時金相当額が当該企業型年金の資産管理機関又は国民年金基金連合会に移換されたときは、その旨を当該中途脱退者に通知しなければならない。

第百十七条の三  中途脱退者等は、企業型年金加入者又は個人型年金加入者の資格を取得した場合であって、連合会の規約において、あらかじめ、当該企業型年金の資産管理機関又は国民年金基金連合会に連合会の規約で定める積立金の移換ができる旨が定められているときは、連合会に当該企業型年金の資産管理機関又は国民年金基金連合会への当該積立金の移換を申し出ることができる。ただし、中途脱退者等が連合会が支給する老齢給付金の受給権を有するときは、この限りでない。
 連合会は、前項の申出があったときは、当該企業型年金の資産管理機関又は国民年金基金連合会に当該申出に係る積立金を移換するものとする。
 連合会は、前項の規定により積立金を移換したときは、当該中途脱退者等に係る老齢給付金又は遺族給付金の支給に関する義務を免れる。
 当該企業型年金の企業型記録関連運営管理機関等又は国民年金基金連合会は、第二項の規定により積立金が当該企業型年金の資産管理機関又は国民年金基金連合会に移換されたときは、その旨を当該中途脱退者等に通知しなければならない。

第百十七条の四  前二条に定めるもののほか、確定給付企業年金又は連合会から確定拠出年金への脱退一時金相当額又は積立金の移換に関し必要な事項は、政令で定める。

   第十三章 罰則

第百十八条  第九十条第一項又は第百一条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又はこれらの規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をし、若しくはこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、前項の罰金刑を科する。

第百十九条  次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした事業主若しくは規約型企業年金の清算人又は基金の役員、代理人若しくは使用人その他の従業者若しくはその清算人は、百万円以下の過料に処する。
 第九十条第四項又は第百二条第一項の規定による命令に違反したとき。
 第百条第一項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

第百二十条  第七条第一項又は第十七条第一項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした事業主又は基金の役員は、百万円以下の過料に処する。

第百二十一条  基金がこの法律の規定により基金が行うものとされた事業以外の事業を行った場合には、その役員、代理人若しくは使用人、その他の従業者又は清算人は、二十万円以下の過料に処する。

第百二十二条  基金又は連合会が、次の各号のいずれかに該当する場合には、その役員は、二十万円以下の過料に処する。
 第十五条の規定に違反して、公告を怠り、又は虚偽の公告をしたとき。
 第九十一条の二第五項又は第九十一条の三第五項(第九十一条の四第四項及び第九十一条の五第七項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、通知をしないとき。
 第九十一条の二第六項(第九十一条の三第六項、第九十一条の四第五項及び第九十一条の五第八項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、公告を怠り、又は虚偽の公告をしたとき。

第百二十三条  次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する。
 第十条第二項の規定に違反して、企業年金基金という名称を用いた者
 第八十六条又は第九十九条の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者

   附 則 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十四年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
 附則第九条の規定 公布の日
 附則第七条の規定 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日
 第百十一条から第百十四条まで及び第百十五条第二項の規定並びに附則第四条、第十条、第十六条及び第三十五条の規定 公布の日から起算して二年六月を超えない範囲内において政令で定める日

(名称の使用制限に関する経過措置)
第二条  この法律の施行の際現に企業年金基金という名称を使用している者については、第十条第二項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。

(事務の委託に関する経過措置)
第三条  厚生年金保険の管掌者たる政府は、当分の間、第百十三条第一項の規定に基づき、解散厚生年金基金等から同項に規定する責任準備金に相当する額を徴収する場合(厚生年金保険法附則第三十二条第三項の規定により同条第一項の認可を受けた厚生年金基金が解散(第百十一条第三項の規定による解散に限る。)に必要な行為又は企業年金基金となるために必要な行為をする場合を含む。)において、当該徴収のために必要な事務及び厚生年金保険の管掌者たる政府が支給する年金たる給付に係る事務のうち政令で定めるものを連合会に行わせることができる。
 前項の規定により連合会が同項の業務を行う場合には、厚生年金保険法第百八十五条第五号中「この章」とあるのは、「この章又は確定給付企業年金法附則第三条第一項」とするほか、同法の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

(解散厚生年金基金等に係る責任準備金相当額の一部の物納に関する経過措置)
第四条  第百十四条第二項の規定の適用については、当分の間、同項中「申請は」とあるのは、「申請は、厚生年金保険法附則第三十二条第一項の規定による厚生労働大臣の認可を受けている場合に限り行うことができるものとし」とする。

(適格退職年金契約の円滑な移行)
第五条  政府は、平成二十四年三月三十一日までの間に、附則第二十四条の規定による改正後の法人税法附則第二十条第三項に規定する適格退職年金契約の確定給付企業年金その他の制度への円滑な移行を図るため、確定給付企業年金制度の周知その他円滑な移行のために必要な措置を講ずるものとする。

(検討)
第六条  政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

(適格退職年金契約に係る権利義務の確定給付企業年金への移転)
第二十五条  事業主等は、その実施事業所の事業主が前条の規定による改正後の法人税法(以下「新法人税法」という。)附則第二十条第三項に規定する適格退職年金契約を締結している場合は、平成二十四年三月三十一日までの間に限り、厚生労働大臣の承認(当該確定給付企業年金が基金型企業年金である場合にあっては、認可)を受けて、当該適格退職年金契約に係る同条第二項第一号ロに規定する信託の受益者又は同項第二号ロに規定する保険金受取人若しくは同項第三号ロに規定する共済金受取人(以下「移行適格退職年金受益者等」という。)に係る給付の支給に関する権利義務を承継することができる。
 第七十四条第二項及び第三項の規定は当該確定給付企業年金が規約型企業年金である場合に事業主が前項の承認の申請を行う場合について、第七十六条第二項の規定は当該確定給付企業年金が基金型企業年金である場合に基金が前項の認可の申請を行う場合について、それぞれ準用する。
 第一項の規定により当該事業主等が権利義務を承継する場合においては、当該適格退職年金契約に係る新法人税法附則第二十条第二項各号に掲げる法人から当該確定給付企業年金の資産管理運用機関等に当該適格退職年金契約に係る積立金を移換するものとする。
 第一項の規定により移行適格退職年金受益者等に係る給付の支給に関する権利義務を承継した確定給付企業年金については、第三十六条第四項及び第四十一条第三項の規定は適用せず、第三十六条第二項及び第四十一条第二項の適用については、第三十六条第二項中「次に掲げる要件(」とあるのは「次に掲げる要件(附則第二十五条第一項の規定により給付の支給に関する権利義務を承継した移行適格退職年金受益者等については、別に政令で定める要件とし、」と、第四十一条第二項中「次に掲げる要件」とあるのは「次に掲げる要件(附則第二十五条第一項の規定により給付の支給に関する権利義務を承継した移行適格退職年金受益者等については、別に政令で定める要件)」とする。

(適格退職年金契約に係る権利義務の厚生年金基金への移転)
第二十六条  厚生年金基金は、その設立事業所の事業主が、新法人税法附則第二十条第三項に規定する適格退職年金契約を締結している場合は、平成二十四年三月三十一日までの間に限り、厚生労働大臣の認可を受けて、移行適格退職年金受益者等に係る給付の支給に関する権利義務を承継することができる。
 第百七条第三項の規定は、厚生年金基金が前項の認可の申請を行う場合について準用する。
 第一項の規定により当該厚生年金基金が権利義務を承継する場合においては、当該適格退職年金契約に係る新法人税法附則第二十条第二項各号に掲げる法人から当該厚生年金基金に当該適格退職年金契約に係る積立金を移換するものとする。
 第一項の規定により給付の支給に関する権利義務を承継する移行適格退職年金受益者等であって当該厚生年金基金の加入員とならない者については、厚生年金保険法第百三十一条から第百三十三条の二まで、第百三十五条並びに第百三十六条において準用する同法第三十六条第一項及び第二項の規定は、適用しない。
 第一項の規定により移行適格退職年金受益者等に係る給付の支給に関する権利義務を承継した厚生年金基金が支給する死亡を支給理由とする年金たる給付又は一時金たる給付(第一項の認可を受けた日において、当該適格退職年金契約に基づき移行適格退職年金受益者等の死亡により支給される退職年金の給付を受ける権利を有する者に支給するものに限る。)については、厚生年金保険法第百三十六条において準用する同法第四十一条の規定は、適用しない。

第二十七条  前二条に定めるもののほか、新法人税法附則第二十条第三項に規定する適格退職年金契約に係る権利義務の承継に関し必要な事項は、政令で定める。

(適格退職年金契約に係る資産の独立行政法人勤労者退職金共済機構への移換)
第二十八条  中小企業退職金共済法第二条第一項に規定する中小企業者(以下この条において単に「中小企業者」という。)であって、新法人税法附則第二十条第三項に規定する適格退職年金契約を締結しているものが、平成二十四年三月三十一日までの間に、その雇用する従業員を被共済者として中小企業退職金共済法第二条第三項に規定する退職金共済契約(以下この条において単に「退職金共済契約」という。)を締結した場合において、当該適格退職年金契約の相手方が、独立行政法人勤労者退職金共済機構(以下この条において「機構」という。)との間で、当該退職金共済契約の被共済者となった者について、当該適格退職年金契約に係る被共済者持分額(当該適格退職年金契約に係る信託財産の価額、保険料積立金に相当する金額又は共済掛金積立金に相当する金額であって中小企業者が負担した部分の金額のうち、当該被共済者の持分として厚生労働省令で定める方法により算定した額をいう。)の範囲内の金額を機構に引き渡すことその他厚生労働省令で定める事項を約する契約を締結したときは、当該機構との契約で定めるところによって当該金額(以下この条において「引渡金額」という。)を機構に引き渡すものとする。
 引渡金額のうち、当該退職金共済契約の効力が生じた日における掛金月額その他の事情を勘案して政令で定める額については、厚生労働省令で定めるところにより、政令で定める月数を当該退職金共済契約の被共済者に係る掛金納付月数に通算するものとする。この場合において、その通算すべき月数は、当該退職金共済契約の被共済者となった者が適格退職年金契約に係る移行適格退職年金受益者等であった期間の月数を超えることができない。
 引渡金額から前項の政令で定める額を控除した残余の額を有する当該退職金共済契約の被共済者が退職したときにおける退職金の額は、中小企業退職金共済法第十条第一項ただし書及び第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる前項の規定による通算後の掛金納付月数の区分に応じ、当該各号に定める額とする。
 十一月以下 当該引渡しをした日の属する月の翌月から当該被共済者となった者が退職した日の属する月までの期間につき、当該残余の額に対し、政令で定める利率に厚生労働大臣が定める利率を加えた利率の複利による計算をして得た元利合計額(当該引渡しをした日の属する月に当該被共済者となった者が退職したときは、当該残余の額。次号において「計算後残余額」という。)
 十二月以上 中小企業退職金共済法第十条第二項の規定により算定した額に計算後残余額を加算した額
 前項の残余の額を有する当該退職金共済契約の被共済者に係る当該退職金共済契約が解除されたときにおける解約手当金の額は、中小企業退職金共済法第十六条第三項の規定にかかわらず、前項の規定の例により計算して得た額とする。
 第一項の規定により引渡金額が機構に引き渡された退職金共済契約の被共済者については、中小企業者)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第三十八条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

   附 則 (平成一三年六月二九日法律第九四号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十四年一月一日から施行する。

(検討)
第三十六条  政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後の規定の実施状況等を勘案し、組合員である農業者の利益の増進を図る観点から、組合の役員に関する制度の在り方、組合の事業運営の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成一三年七月四日法律第一〇一号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十四年四月一日から施行する。

   附 則 (平成一四年五月一〇日法律第三九号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(確定給付企業年金法の一部改正に伴う経過措置)
第十八条  前条の規定による改正後の確定給付企業年金法附則第二十八条第一項の規定は、施行日以後に効力が生じた退職金共済契約について適用し、施行日前退職金共済契約については、なお従前の例による。

   附 則 (平成一四年一二月一三日法律第一六四号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十五年十月一日から施行する。

   附 則 (平成一五年五月三〇日法律第五四号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十六年四月一日から施行する。

(罰則の適用に関する経過措置)
第三十八条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第三十九条  この法律に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

(検討)
第四十条  政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、この法律による改正後の金融諸制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成一六年六月二日法律第七六号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、破産法(平成十六年法律第七十五号。次条第八項並びに附則第三条第八項、第五条第八項、第十六項及び第二十一項、第八条第三項並びに第十三条において「新破産法」という。)の施行の日から施行する。

(政令への委任)
第十四条  附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

   附 則 (平成一六年六月一一日法律第一〇四号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十六年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
 第二条、第八条、第十五条、第二十二条、第二十八条、第三十二条、第三十六条、第三十九条、第四十二条、第四十四条の二、第四十九条、第五十一条及び第五十二条並びに附則第四条、第十七条から第二十四条まで、第三十四条から第三十八条まで、第五十七条、第五十八条及び第六十条から第六十四条までの規定 平成十七年四月一日
 第九条、第十六条、第二十条、第二十三条、第二十九条、第三十七条、第四十条及び第四十六条並びに附則第三十九条、第四十条、第五十九条及び第六十七条から第七十二条までの規定 平成十七年十月一日
 第三条、第十条及び第十七条の規定 平成十八年四月一日
 第四条、第十一条、第十八条、第四十一条、第四十三条、第四十八条及び第五十条並びに附則第九条第二項、第十条、第十三条第四項、第十四条、第五十六条の表平成十八年度(附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日の属する月以後の期間に限る。)から特定年度の前年度までの各年度の項及び第六十五条の規定 平成十八年七月一日
 附則第四十七条の規定 平成十八年十月一日
 第五条、第十二条、第十九条、第二十条の二、第二十三条の二、第二十五条、第三十条、第三十三条、第四十四条、第四十四条の三から第四十四条の五、第四十七条及び第五十三条並びに附則第四十一条から第四十六条まで、第四十八条及び第五十五条の規定 平成十九年四月一日
 第六条、第十三条、第二十六条及び第三十四条並びに附則第四十九条及び第五十条の規定 平成二十年四月一日

(罰則に関する経過措置)
第七十三条  この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第七十四条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

   附 則 (平成一六年六月一一日法律第一〇五号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十八年四月一日から施行する。ただし、第十七条第三項(通則法第十四条の規定を準用する部分に限る。)及び第三十条並びに次条から附則第五条まで、附則第七条及び附則第三十九条の規定は、公布の日から施行する。

(政令への委任)
第三十九条  附則第二条から第十三条まで、附則第十五条、附則第十六条及び附則第十九条に定めるもののほか、管理運用法人の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

   附 則 (平成一六年一二月三日法律第一五四号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。(その他の経過措置の政令への委任)
第百二十三条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

(検討)
第百二十四条  政府は、この法律の施行後三年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成一八年六月二日法律第五〇号)

 この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。


   附 則 (平成一八年六月一四日法律第六六号) 抄

 この法律は、平成十八年証券取引法改正法の施行の日から施行する。
   附 則 (平成一九年七月六日法律第一一〇号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成二十年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
 第五条及び第十条並びに附則第十八条及び第十九条の規定 平成二十三年四月一日

(罰則に関する経過措置)
第二十七条  この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。次条において同じ。)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第二十八条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

   附 則 (平成二一年五月一日法律第三六号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成二十二年一月一日から施行する。

(調整規定)
第八条  この法律及び日本年金機構法又は雇用保険法等の一部を改正する法律(平成十九年法律第三十号)に同一の法律の規定についての改正規定がある場合において、当該改正規定が同一の日に施行されるときは、当該法律の規定は、日本年金機構法又は雇用保険法等の一部を改正する法律によってまず改正され、次いでこの法律によって改正されるものとする。

   附 則 (平成二三年六月二四日法律第七四号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

   附 則 (平成二三年八月一〇日法律第九三号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から施行する。

(政令への委任)
第六条  この附則に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

   附 則 (平成二四年八月二二日法律第六三号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成二十七年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
 次条並びに附則第三条、第二十八条、第百五十九条及び第百六十条の規定 公布の日

(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。