国有林野事業の改革のための特別措置法

国有林野事業の改革のための特別措置法
(平成十年十月十九日法律第百三十四号)


最終改正:平成二〇年一二月二六日法律第九五号


 第一章 総則(第一条―第四条)
 第二章 業務運営の方針(第五条―第九条)
 第三章 実施体制の効率化
  第一節 基本的な方針(第十条・第十一条)
  第二節 特別給付金(第十二条―第十四条)
 第四章 財務の健全化
  第一節 債務の処理(第十五条―第十七条)
  第二節 特別会計に関する法律の特例(第十八条―第二十条)
 附則

   第一章 総則

第一条  この法律は、国有林野事業(特別会計に関する法律 (平成十九年法律第二十三号)(国有林野事業の改革の趣旨)
第二条  国有林野事業の改革は、林業をめぐる諸情勢の著しい変化による収入の減少、債務の累増等による国有林野事業の危機的な財務状況に対処して、その財政の健全性を回復し、及び国民共通の財産である国有林野(国有林野事業の対象とする国有林野をいう。以下同じ。)を将来にわたって適切かつ効率的に管理経営する体制を確立することにより、国土の保全その他公益的機能の維持増進、林産物の持続的かつ計画的な供給、地域における産業の振興その他の国有林野事業の使命を十全に果たし、もって国民経済の発展及び国民生活の安定に資するために行われるものとする。

第三条  国は、この法律に定める方針に従い必要な施策を総合的かつ計画的に実施し、国有林野事業の改革を確実かつ円滑に遂行しなければならない。

第四条  国有林野事業の改革は、平成十五年度までの期間を集中改革期間として実施するものとする。

   第二章 業務運営の方針

第五条  政府は、国土の保全その他国有林野の有する公益的機能の重要性にかんがみ、国有林野の管理経営の方針について、林産物の供給に重点を置いたものから公益的機能の維持増進を旨とするものへと転換することとする。
 政府は、前項の方針に従い、複層林施業、長伐期施業その他の森林の公益的機能の維持増進を図るための森林施業を積極的に推進するものとする。

第八条  政府は、国民共通の財産である国有林野について、その有する公益的機能の維持増進との調和を図りつつ、公衆の保健のための利用、自主的な森林整備のための利用その他の国民による利用に積極的に供するものとする。

第九条  政府は、国有林野の管理経営が適切に実施されていることを国民に対し明らかにするため、毎年度、国有林野事業の実施状況を公表するものとする。

   第三章 実施体制の効率化

    第一節 基本的な方針

第十条  政府は、国有林野事業(特別会計に関する法律第百五十八条第三項第一号 に規定する直轄治山事業を含む。以下この節において同じ。)の効率的な実施体制を整備するため、集中改革期間において、国有林野事業に係る職員数の適正化を緊急に推進し、集中改革期間終了後できるだけ早い時期に、その職員数を業務に応じた必要かつ最小限のものとする。
 農林水産大臣は、集中改革期間の開始後一月以内に、国有林野事業に係る職員数の適正化の目標、その達成のために講じようとする施策その他国有林野事業に係る職員数の適正化に関する基本的な事項につき、閣議の決定を求めなければならない。

第十一条  政府は、国有林野事業に係る組織を簡素かつ効率的なものに再編するものとする。

    第二節 特別給付金

第十二条  農林水産大臣は、集中改革期間において国有林野事業に係る職員数の適正化を緊急に推進するため、集中改革期間中の毎年度、退職を希望する国有林野事業職員(国有林野事業を行う国の経営する企業に勤務する一般職の国家公務員をいう。以下同じ。)の募集を行う場合において、国有林野事業職員がこれに応じて退職を申し出たときは、その者が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、その者について退職を希望する国有林野事業職員である旨の認定を行うことができる。
 当該退職を申し出た年度の末日までに六十歳(農林水産省令で定める要件に該当する者にあっては、六十三歳。次条第一項において同じ。)となる者
 国有林野事業を行う国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法 (昭和二十九年法律第百四十一号)第二条第二項 の政令で定める官職にある者又は同法第五条 に規定する常勤の職員
 前二号に掲げるもののほか、常時勤務に服することを要しない者で農林水産省令で定める要件に該当するもの
 政府は、前項の認定を受けた国有林野事業職員が退職したときは、その者が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、その者に対し、特別の給付金(以下「特別給付金」という。)を支給するものとする。
 国家公務員退職手当法 (昭和二十八年法律第百八十二号)第三条 、第四条第一項及び第五条第一項の規定の適用を受けないで退職した者
 傷病又は死亡により退職した者
 特別給付金は、第一項の認定を受けた年度の末日までに退職した者に対し支給するものとする。

第十三条  前項の特別給付金の額の算定の基礎となる勤続期間の計算については、国家公務員退職手当法第七条第一項 から第五項 までの規定を準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

第十四条  特別給付金の支給を受けた者が次の各号のいずれかに該当することとなった場合には、その者は、農林水産省令で定めるところにより、その支給を受けた特別給付金に相当する金額を政府に返還しなければならない。
 その支給に係る退職をした日から起算して一年以内に農林水産省の職員(常時勤務に服することを要しない者で農林水産省令で定めるものを除く。)として採用されたとき。
 国家公務員退職手当法 等の一部を改正する法律(平成二十年法律第九十五号)附則第二条 の規定によりなお従前の例によることとされる場合における同法第一条 の規定による改正前の国家公務員退職手当法第十二条の三第一項 の規定により支給を受けた一般の退職手当等の全部又は一部を返納させられることとなったとき。
 政府は、特別給付金の支給を受けることができることとなった者であってその支給を受けていないものが前項各号のいずれかに該当することとなった場合には、第十二条第二項の規定にかかわらず、その者に対し、特別給付金を支給しない。
 政府は、特別給付金の支給を受けることができることとなった者であってその支給を受けていないものが国家公務員退職手当法 等の一部を改正する法律(平成二十年法律第九十五号)附則第二条 の規定によりなお従前の例によることとされる場合における同法第一条 の規定による改正前の国家公務員退職手当法第十二条の二第一項 の規定による一般の退職手当等の支給を一時差し止める処分を受けた場合には、第十二条第二項の規定にかかわらず、その者に対し、特別給付金を支給しない。ただし、当該処分が取り消された場合は、この限りでない。

   第四章 財務の健全化

    第一節 債務の処理

第十五条  政府は、この法律の施行の時において、その時における事業勘定(国有林野事業特別会計法 の一部を改正する法律(平成十八年法律第九号)による改正前の国有林野事業特別会計法(昭和二十二年法律第三十八号)に基づく国有林野事業特別会計の国有林野事業勘定をいう。次条第一項において同じ。)の負担に属する次に掲げる債務を、一般会計に帰属させる。
 平成七年九月二十九日までに借り入れられた借入金に係る債務
 前号に掲げる債務に係る利子であって、この法律の施行の日以前に発生しており、かつ、同日以降に支払われることとされているものに係る債務
 前項の規定により一般会計に帰属する債務のうち政府が貸し付けた資金に係るものの償還期限は、平成十一年三月三十一日までの間において政令で定める日とする。

第十六条  政府は、この法律の施行の時において事業勘定の負担に属する借入金に係る債務(前条第一項の規定により一般会計に帰属したものを除く。)について、その償還及び当該債務に係る利子の支払の確実かつ円滑な実施により、この法律の施行の日から五十年を経過した日の属する年度の末日までに着実に処理するものとする。
 政府は、前項の債務の処理を推進するため、第十八条及び第十九条に規定する措置を講ずるものとする。

第十七条  政府は、国会に対し、毎年度、前二条の規定による国有林野事業に係る債務の処理に関する施策の実施の状況を報告しなければならない。

    第二節 特別会計に関する法律 の特例

第十八条  国有林野事業特別会計においては、第十六条第一項に規定する年度までの間において、特別会計に関する法律 の規定による借入金のほか、同特別会計の負担に属する借入金の償還金の財源に不足を生ずると認められるときは、その財源に充てるため、同特別会計の負担において、借入金をすることができる。

第十九条  政府は、国有林野事業特別会計の負担に属する借入金(政令で定めるものを除く。)について、第十六条第一項に規定する年度までの期間中の毎年度、予算の範囲内において、当該年度において支払うべき利子に充てるべき金額(平成十年度にあっては、この法律の施行の日から平成十一年三月三十一日までの間において支払うべき利子に充てるべき金額)を、一般会計から同特別会計に繰り入れるものとする。

第二十条  国有林野事業特別会計においては、第十六条第一項に規定する年度までの間において、    附 則

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から施行する。

(国有林野事業改善特別措置法の廃止)
第二条  国有林野事業改善特別措置法は、廃止する。

(国有林野事業改善特別措置法の廃止に伴う経過措置)
第三条  前条の規定による廃止前の国有林野事業改善特別措置法第八条第二項に規定する特別給付金の支給を受けた者については、同法第十条第一項の規定は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。

   附 則 (平成一四年七月三一日法律第九八号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公社法の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第一章第一節(別表第一から別表第四までを含む。)並びに附則第二十八条第二項、第三十三条第二項及び第三項並びに第三十九条の規定 公布の日

(罰則に関する経過措置)
第三十八条  施行日前にした行為並びにこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第三十九条  この法律に規定するもののほか、公社法及びこの法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

   附 則 (平成一八年三月三一日法律第九号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十八年四月一日から施行する。

第四条  削除

   附 則 (平成一九年三月三一日法律第二三号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十九年四月一日から施行し、平成十九年度の予算から適用する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行し、第二条第一項第四号、第十六号及び第十七号、第二章第四節、第十六節及び第十七節並びに附則第四十九条から第六十五条までの規定は、平成二十年度の予算から適用する。

(罰則に関する経過措置)
第三百九十一条  この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第三百九十二条  附則第二条から第六十五条まで、第六十七条から第二百五十九条まで及び第三百八十二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要となる経過措置は、政令で定める。

   附 則 (平成二〇年一二月二六日法律第九五号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。