自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法

自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法
(平成四年六月三日法律第七十号)


最終改正:平成二三年八月三〇日法律第一〇五号


 第一章 総則(第一条―第五条)
 第二章 自動車排出窒素酸化物等の総量の削減に関する基本方針及び計画(第六条―第十一条)
 第三章 自動車排出窒素酸化物等の総量の削減に関する特別の措置
  第一節 窒素酸化物排出自動車等に関する措置(第十二条―第十四条)
  第二節 窒素酸化物重点対策地区等に関する措置(第十五条―第三十条)
  第三節 事業者に関する措置(第三十一条―第四十三条)
 第四章 雑則(第四十四条―第四十八条)
 第五章 罰則(第四十九条―第五十二条)
 附則

   第一章 総則

第一条  この法律は、自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質による大気の汚染の状況にかんがみ、その汚染の防止に関して国、地方公共団体、事業者及び国民の果たすべき責務を明らかにするとともに、その汚染が著しい特定の地域について、自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の総量の削減に関する基本方針及び計画を策定し、当該地域内に使用の本拠の位置を有する一定の自動車につき窒素酸化物排出基準及び粒子状物質排出基準を定め、並びに事業活動に伴い自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の排出の抑制のための所要の措置を講ずること等により、大気汚染防止法 (昭和四十三年法律第九十七号)による措置等と相まって、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質による大気の汚染に係る環境基準の確保を図り、もって国民の健康を保護するとともに生活環境を保全することを目的とする。

第二条  この法律において「自動車」とは、道路運送車両法 (昭和二十六年法律第百八十五号)第二条第二項 に規定する自動車(大型特殊自動車及び小型特殊自動車を除く。)をいう。
 この法律において「自動車排出窒素酸化物」とは、自動車の運行に伴って発生し、大気中に排出される窒素酸化物をいう。
 この法律において「自動車排出粒子状物質」とは、自動車の運行に伴って発生し、大気中に排出される粒子状物質をいう。

第三条  国は、自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質(以下「自動車排出窒素酸化物等」という。)による大気の汚染の防止に関する基本的かつ総合的な施策(自動車排出窒素酸化物等に係る大気汚染防止法第三章 、第四章及び第五章の規定による措置を含む。)を策定し、及び実施するとともに、地方公共団体が実施する自動車排出窒素酸化物等による大気の汚染の防止に関する施策を推進するために必要な助言その他の措置を講ずるように努めなければならない。
 地方公共団体は、当該地域の自然的、社会的条件に応じた自動車排出窒素酸化物等による大気の汚染の防止に関する施策の実施に努めなければならない。

第四条  事業者は、その事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制のために必要な措置を講ずるように努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する自動車排出窒素酸化物等による大気の汚染の防止に関する施策に協力しなければならない。
 自動車の製造又は販売(以下この項において「製造等」という。)を業とする者は、当該自動車の製造等に際して、その製造等に係る自動車が使用されることにより排出される自動車排出窒素酸化物等による大気の汚染の防止に資するように努めなければならない。

第五条  国民は、自動車を運転し、若しくは使用し、又は交通機関を利用するに当たっては、自動車排出窒素酸化物等の排出が抑制されるように努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する自動車排出窒素酸化物等による大気の汚染の防止に関する施策に協力しなければならない。

   第二章 自動車排出窒素酸化物等の総量の削減に関する基本方針及び計画

第六条  国は、自動車の交通が集中している地域で、大気汚染防止法第三条第一項 若しくは第三項 若しくは第四条第一項 の排出基準又は同法第五条の二第一項 若しくは第三項 の総量規制基準及び同法第十九条 の規定による措置のみによっては環境基本法 (平成五年法律第九十一号)第十六条第一項 の規定による大気の汚染に係る環境上の条件についての基準(二酸化窒素に係るものに限る。次条第二項第三号において「二酸化窒素に係る大気環境基準」という。)の確保が困難であると認められる地域として政令で定める地域(以下「窒素酸化物対策地域」という。)について、自動車排出窒素酸化物の総量の削減に関する基本方針(以下「窒素酸化物総量削減基本方針」という。)を定めるものとする。
 窒素酸化物総量削減基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
 窒素酸化物対策地域における自動車排出窒素酸化物の総量の削減に関する目標
 次条第一項の窒素酸化物総量削減計画の策定、第十五条第一項の窒素酸化物重点対策地区の指定、第三十一条第一項の判断の基準となるべき事項の策定その他窒素酸化物対策地域における自動車排出窒素酸化物の総量の削減のための施策に関する基本的な事項
 前二号に掲げるもののほか、窒素酸化物対策地域における自動車排出窒素酸化物の総量の削減に関する重要な事項
 都道府県は、その区域のうちに第一項の政令で定める地域の要件に該当し、又は該当しなくなったと認められる一定の地域があるときは、同項の地域を定める政令の制定又は改廃の立案について、環境大臣に対し、その旨の申出をすることができる。
 環境大臣は、第一項の地域を定める政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、関係都道府県の意見を聴かなければならない。
 環境大臣は、窒素酸化物総量削減基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
 環境大臣は、窒素酸化物総量削減基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ、第二項第二号に規定する施策に関する事務を所掌する大臣と協議するとともに、関係都道府県の意見を聴かなければならない。
 当該窒素酸化物対策地域における事業活動その他の人の活動に伴って発生し、大気中に排出される窒素酸化物の総量
 当該窒素酸化物対策地域における自動車排出窒素酸化物の総量
 当該窒素酸化物対策地域における事業活動その他の人の活動に伴って発生し、大気中に排出される窒素酸化物について、二酸化窒素に係る大気環境基準に照らし環境省令で定めるところにより算定される総量
 第二号に掲げる総量についての削減目標量(中間目標としての削減目標量を定める場合にあっては、その削減目標量を含む。)
 計画の達成の期間及び方途
 都道府県知事は、窒素酸化物総量削減計画を定めようとするときは、第十条第一項に規定する協議会の意見を聴くとともに、環境大臣に協議しなければならない。
 環境大臣は、前項の協議を受けたときは、公害対策会議の意見を聴かなければならない。
 都道府県知事は、窒素酸化物総量削減計画を定めたときは、第二項各号に掲げる事項を公告しなければならない。
 前三項の規定は、窒素酸化物総量削減計画の変更(第十六条第一項の窒素酸化物重点対策計画を策定し、又は変更する場合を含む。)について準用する。

第八条  国は、自動車の交通が集中している地域で、大気汚染防止法第三条第一項 若しくは第三項 若しくは第四条第一項 の排出基準又は同法第五条の二第一項 若しくは第三項 の総量規制基準、同法第十八条の三 の基準、同法第十八条の五 の敷地境界基準、同法第十八条の十四 の作業基準及び同法第十九条 の規定による措置並びにスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律 (平成二年法律第五十五号)  粒子状物質総量削減基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
 粒子状物質対策地域における自動車排出粒子状物質の総量の削減に関する目標
 次条第一項の粒子状物質総量削減計画の策定、第十七条第一項の粒子状物質重点対策地区の指定、第三十一条第一項の判断の基準となるべき事項の策定その他粒子状物質対策地域における自動車排出粒子状物質の総量の削減のための施策に関する基本的な事項
 前二号に掲げるもののほか、粒子状物質対策地域における自動車排出粒子状物質の総量の削減に関する重要な事項
 第六条第三項の規定は都道府県の区域のうちに第一項の政令で定める地域の要件に該当し、又は該当しなくなったと認められる一定の地域がある場合について、同条第四項の規定は第一項の地域を定める政令について、同条第五項から第七項までの規定は粒子状物質総量削減基本方針の策定及び変更について準用する。

第九条  都道府県知事は、粒子状物質対策地域にあっては、粒子状物質総量削減基本方針に基づき、当該粒子状物質対策地域における自動車排出粒子状物質の総量の削減に関し実施すべき施策に関する計画(以下「粒子状物質総量削減計画」という。)を定めなければならない。
 粒子状物質総量削減計画は、当該粒子状物質対策地域について、第一号に掲げる総量を第三号に掲げる総量までに削減させることを目途として、第一号に掲げる総量に占める第二号に掲げる総量の割合、自動車の交通量及びその見通し、自動車排出粒子状物質及び自動車以外の粒子状物質の発生源における粒子状物質の排出状況並びに原因物質(粒子状物質以外の物質で浮遊粒子状物質の生成の原因となるものをいう。第一号及び第三号において同じ。)の排出状況の推移等を勘案し、政令で定めるところにより、第四号及び第五号に掲げる事項を定めるものとする。
 計画の達成の期間及び方途
 第七条第三項から第五項までの規定は、粒子状物質総量削減計画の策定及び変更(第十八条第一項の粒子状物質重点対策計画を策定し、又は変更する場合を含む。)について準用する。

第十条  第六条第一項又は第八条第一項の規定により窒素酸化物対策地域又は粒子状物質対策地域が定められたときは、当該窒素酸化物対策地域又は粒子状物質対策地域をその区域の全部又は一部とする都道府県に、窒素酸化物総量削減計画又は粒子状物質総量削減計画に定められるべき事項について調査審議するため、都道府県知事、都道府県公安委員会、関係市町村(特別区を含む。)、関係地方行政機関及び関係道路管理者を含む者で組織される協議会を置く。
 前項に定めるもののほか、同項の協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、都道府県の条例で定める。

第十一条  国及び地方公共団体は、窒素酸化物総量削減計画及び粒子状物質総量削減計画の達成に必要な措置を講ずるように努めるものとする。

   第三章 自動車排出窒素酸化物等の総量の削減に関する特別の措置

    第一節 窒素酸化物排出自動車等に関する措置

第十二条  環境大臣は、自動車の種類、排出状況(窒素酸化物対策地域及び粒子状物質対策地域における自動車排出窒素酸化物等の排出状況をいう。第三十三条において同じ。)等を勘案し、環境省令で、窒素酸化物排出自動車(その運行に伴って排出される自動車排出窒素酸化物が窒素酸化物対策地域における大気の汚染の主要な原因となるものとして政令で定める自動車であって、窒素酸化物対策地域内に使用の本拠の位置を有するものをいう。次項及び同条において同じ。)にあっては窒素酸化物の排出量に関する基準(以下「窒素酸化物排出基準」という。)を、粒子状物質排出自動車(その運行に伴って排出される自動車排出粒子状物質が粒子状物質対策地域における大気の汚染の主要な原因となるものとして政令で定める自動車であって、粒子状物質対策地域内に使用の本拠の位置を有するものをいう。同項及び同条において同じ。)にあっては粒子状物質の排出量に関する基準(以下「粒子状物質排出基準」という。)を定めなければならない。
 窒素酸化物排出基準及び粒子状物質排出基準は、窒素酸化物排出自動車又は粒子状物質排出自動車の一定の条件における運行に伴って発生し、大気中に排出される自動車排出窒素酸化物又は自動車排出粒子状物質の量について、窒素酸化物排出自動車又は粒子状物質排出自動車の車両総重量(道路運送車両法第四十条第三号 に掲げる車両総重量をいう。)につき環境省令で定める区分ごとに定める許容限度とする。
 環境大臣は、窒素酸化物排出基準又は粒子状物質排出基準を定めようとするときは、窒素酸化物対策地域又は粒子状物質対策地域をその区域の全部又は一部とする都道府県の意見を聴かなければならない。これを変更し、又は廃止しようとするときも、同様とする。

第十三条  前条第一項の窒素酸化物対策地域における大気の汚染の主要な原因となるものとして政令で定める自動車(以下この項において「指定自動車」という。)であって一の地域が窒素酸化物対策地域となった際現にその地域内に使用の本拠の位置を有するものを現に使用する者又は一の自動車が指定自動車となった際現に窒素酸化物対策地域内に使用の本拠の位置を有するその自動車を現に使用する者が、当該自動車を引き続き窒素酸化物対策地域内に使用の本拠を置いて使用する場合における当該自動車については、自動車の種別及び車齢(自動車が初めて道路運送車両法第四条 の規定により運行の用に供することができることとなった日から一の地域が窒素酸化物対策地域となった日又は一の自動車が指定自動車となった日までの期間をいう。)について政令で定める区分に応じ政令で定める期間が経過する日までの間は、窒素酸化物排出基準は、適用しない。
 環境大臣は、前項の区分又は期間を定める政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、関係都道府県の意見を聴かなければならない。
 第一項の規定は、前条第一項の粒子状物質対策地域における大気の汚染の主要な原因となるものとして政令で定める自動車について準用する。この場合において、第一項中「窒素酸化物対策地域」とあるのは「粒子状物質対策地域」と、「窒素酸化物排出基準」とあるのは「粒子状物質排出基準」と読み替えるものとする。
 第二項の規定は、前項において準用する第一項の区分又は期間を定める政令について準用する。

第十四条  国土交通大臣は、自動車排出窒素酸化物等による大気の汚染の防止を図るため、窒素酸化物排出基準及び粒子状物質排出基準が確保されるように考慮して、道路運送車両法 に基づく命令を定めなければならない。

    第二節 窒素酸化物重点対策地区等に関する措置

第十五条  都道府県知事は、窒素酸化物対策地域における自動車排出窒素酸化物の総量の削減に資するため、窒素酸化物総量削減基本方針に基づき、自動車排出窒素酸化物による大気の汚染が窒素酸化物対策地域内の他の地区に比較して特に著しい地区であって、当該地区の実情に応じた自動車排出窒素酸化物による大気の汚染の防止を図るための対策(以下「窒素酸化物重点対策」という。)を計画的に実施することが特に必要であると認める地区を、窒素酸化物重点対策地区として当該窒素酸化物対策地域内に指定することができる。
 都道府県知事は、窒素酸化物重点対策地区を指定しようとするときは、関係市町村長(特別区の区長を含む。)の意見を聴くとともに、都道府県公安委員会及び関係道路管理者に協議しなければならない。
 都道府県知事は、窒素酸化物重点対策地区を指定したときは、その旨を公表するとともに、当該窒素酸化物重点対策地区をその区域に含む市町村(特別区を含む。)の長に通知しなければならない。
 前二項の規定は、窒素酸化物重点対策地区の指定の解除及びその区域の変更について準用する。

第十六条  都道府県知事は、前条第一項の規定により窒素酸化物重点対策地区を指定したときは、窒素酸化物総量削減計画において、当該窒素酸化物重点対策地区に関する窒素酸化物重点対策を実施するための計画(以下「窒素酸化物重点対策計画」という。)を定めなければならない。
 窒素酸化物重点対策計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
 窒素酸化物重点対策の実施に関する目標
 窒素酸化物重点対策地区における自動車排出窒素酸化物による大気の汚染を防止するための具体的方策
 窒素酸化物重点対策地区内に自動車の交通需要を生じさせる程度の大きい用途に供する建物の設置をする者が配慮すべき事項

第十七条  都道府県知事は、粒子状物質対策地域における自動車排出粒子状物質の総量の削減に資するため、粒子状物質総量削減基本方針に基づき、自動車排出粒子状物質による大気の汚染が粒子状物質対策地域内の他の地区に比較して特に著しい地区であって、当該地区の実情に応じた自動車排出粒子状物質による大気の汚染の防止を図るための対策(以下「粒子状物質重点対策」という。)を計画的に実施することが特に必要であると認める地区を、粒子状物質重点対策地区として当該粒子状物質対策地域内に指定することができる。
 第十五条第二項及び第三項の規定は、粒子状物質重点対策地区の指定及び指定の解除並びにその区域の変更について準用する。

第十八条  都道府県知事は、前条第一項の規定により粒子状物質重点対策地区を指定したときは、粒子状物質総量削減計画において、当該粒子状物質重点対策地区に関する粒子状物質重点対策を実施するための計画(以下「粒子状物質重点対策計画」という。)を定めなければならない。
 粒子状物質重点対策計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
 粒子状物質重点対策の実施に関する目標
 粒子状物質重点対策地区における自動車排出粒子状物質による大気の汚染を防止するための具体的方策
 粒子状物質重点対策地区内に自動車の交通需要を生じさせる程度の大きい用途に供する建物の設置をする者が配慮すべき事項

第十九条  都道府県は、広報活動等を通じて、窒素酸化物重点対策計画及び粒子状物質重点対策計画の意義に関する窒素酸化物重点対策地区内及び粒子状物質重点対策地区内の住民の理解を深めるとともに、窒素酸化物重点対策計画及び粒子状物質重点対策計画の実施に関する窒素酸化物重点対策地区内及び粒子状物質重点対策地区内の住民の協力を求めるよう努めなければならない。

第二十条  窒素酸化物重点対策地区内又は粒子状物質重点対策地区内において、劇場、ホテル、事務所その他の自動車の交通需要を生じさせる程度の大きい用途で政令で定めるもの(以下「特定用途」という。)に供する部分のある建物で特定用途に供する部分(以下「特定部分」という。)の延べ面積が当該窒素酸化物重点対策地区内又は粒子状物質重点対策地区内の道路及び自動車交通の状況を勘案して都道府県の条例で定める規模以上のもの(大規模小売店舗立地法 (平成十年法律第九十一号)第二条第二項 に規定する大規模小売店舗を除く。以下「特定建物」という。)の新設(建物の延べ面積を変更し、又は既存の建物の全部若しくは一部の用途を変更することにより特定部分の延べ面積が当該規模以上となる場合を含む。以下同じ。)をする者(特定用途以外の用途に供し又は供させるためその建物の一部の新設をする者があるときはその者を除くものとし、特定用途に供し又は供させるためその建物の一部を新設する者又は設置している者があるときはその者を含む。以下同じ。)は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を都道府県知事に届け出なければならない。
 特定建物の名称及び所在地
 特定建物を設置する者及び当該特定建物において事業を行う者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては代表者の氏名
 特定建物の新設をする日
 特定建物の用途
 特定建物の特定部分の延べ面積の合計
 特定建物の自動車の駐車のための施設の配置に関する事項であって、環境省令で定めるもの
 特定建物の特定用途に係る事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等について、環境省令で定めるところにより算定される総量の予測
 特定建物の特定用途に係る事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制のための配慮事項
 前項の規定による届出には、環境省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。
 第一項の規定による届出をした者は、当該届出の日から起算して八月を経過した後でなければ、当該届出に係る特定建物の新設をしてはならない。

第二十一条  一の地区が窒素酸化物重点対策地区又は粒子状物質重点対策地区として指定された際それらの地区内において特定建物を現に設置している者は、当該特定建物について前条第一項第四号から第六号までに掲げる事項の変更であってその指定の日以後最初に行われるものをしようとするときは、その旨及び同項第一号、第二号又は第四号から第八号までに掲げる事項で当該変更に係るもの以外のものを、環境省令で定めるところにより、都道府県知事に届け出なければならない。
 前項の規定による変更に係る事項の届出は、第二十三条第二項の規定による届出とみなす。
 第一項の規定による届出のうち変更に係る事項以外のものの届出は、第二十三条第一項、第二項及び第五項、第二十六条第一項並びに第二十七条の規定の適用については、前条第一項の規定による届出とみなす。

第二十二条  一の地区が窒素酸化物重点対策地区又は粒子状物質重点対策地区として指定された日から起算して八月を経過するまでの間に、それらの地区内において特定建物の新設をする者であって、第二十条第一項の規定による届出をしたものについては、同条第三項及び第二十四条第六項の規定は、適用しない。

第二十三条  第二十条第一項の規定による届出があった特定建物について、当該届出に係る同項第一号又は第二号に掲げる事項の変更があったときは、当該特定建物の新設をする者又は設置をしている者は、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
 第二十条第一項の規定による届出があった特定建物について、当該届出に係る同項第三号から第八号までに掲げる事項の変更があるときは、当該特定建物の新設をする者又は設置をしている者は、あらかじめ、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、環境省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
 第二十条第二項の規定は、前項の規定による届出について準用する。
 第二十条第一項第四号から第六号までに掲げる事項に係る第二項の届出をした者は、当該届出の日から起算して八月を経過した後でなければ、当該届出に係る変更を行ってはならない。
 第二十条第一項の規定による届出があった特定建物について、特定部分の延べ面積を同項の規定に基づく都道府県の条例で定める規模未満とする者は、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

第二十四条  都道府県知事は、第二十条第一項又は前条第二項の規定による届出があった日から起算して八月以内に、当該届出をした者に対し、窒素酸化物重点対策計画又は粒子状物質重点対策計画を勘案して、当該届出に係る特定建物の特定用途に係る事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制の見地からの意見を有する場合には当該意見を書面により述べるものとし、意見を有しない場合にはその旨を通知するものとする。
 都道府県知事は、前項の規定により意見を述べようとするとき、又は意見を有しない旨を通知しようとするときは、あらかじめ、都道府県公安委員会に協議しなければならない。
 都道府県知事が第一項の規定により意見を有しない旨を通知した場合には、第二十条第三項及び前条第四項の規定は、適用しない。
 第二十条第一項又は前条第二項の規定による届出をした者は、第一項の規定による意見が述べられた場合には、当該意見を踏まえ、都道府県知事に対し、当該届出を変更する旨の届出又は変更しない旨の通知を行うものとする。
 第二十条第二項の規定は、前項の規定による届出について準用する。
 第一項の規定により意見が述べられた場合には、第二十条第三項又は前条第四項の規定にかかわらず、第二十条第一項の規定による届出又は同項第四号から第六号までに掲げる事項に係る前条第二項の規定による届出をした者は、第四項の規定による届出又は通知の日から起算して二月を経過した後でなければ、それぞれ、当該届出に係る特定建物の新設をし、又は当該届出に係る変更を行ってはならない。
 前条の規定は、第四項の規定による届出については、適用しない。

第二十五条  都道府県知事は、前条第四項の規定による届出又は通知の内容が、同条第一項の規定により都道府県知事が述べた意見を適正に反映しておらず、当該届出又は通知に係る特定建物が所在する窒素酸化物重点対策地区内又は粒子状物質重点対策地区内の自動車排出窒素酸化物等による大気の汚染を更に著しくする事態の発生を回避することが困難であると認めるときは、当該届出又は通知がなされた日から起算して二月以内に、当該届出又は通知をした者に対し、窒素酸化物重点対策計画又は粒子状物質重点対策計画を勘案して、理由を付して、当該特定建物の特定用途に係る事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制に関し必要な措置を執るべき旨の勧告をすることができる。
 前項の規定による勧告の内容は、同項に規定する事態の発生を回避するために必要な限度を超えないものであり、かつ、第二十条第一項又は第二十三条第二項の規定による届出をした者の利益を不当に害するおそれがないものでなければならない。
 都道府県知事は、第一項の規定による勧告をしようとするときは、あらかじめ、都道府県公安委員会に協議しなければならない。
 都道府県知事から第一項の規定による勧告を受けた者は、当該勧告を踏まえ、都道府県知事に、必要な変更に係る届出を行うものとする。
 第二十条第二項の規定は、前項の規定による届出について準用する。
 第二十三条の規定は、第四項の規定による届出については、適用しない。
 都道府県知事は、第一項の規定による勧告をした場合において、その勧告に係る届出をした者が、正当な理由がなくてその勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。

第二十六条  第二十条第一項、第二十三条第二項、第二十四条第四項又は前条第四項の規定による届出をした者は、その届け出たところにより、その特定建物の特定用途に係る事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制についての適正な配慮をして当該特定建物を維持し、及び運営しなければならない。
 前項に規定する届出に係る特定建物において特定用途に係る事業を行う者は、当該届出に係る事項の円滑な実施に協力するよう努めなければならない。

第二十七条  第二十条第一項若しくは第二十三条第二項の規定による届出、第二十四条第四項の規定による届出若しくは通知又は第二十五条第四項の規定による届出をした者から当該届出又は通知に係る特定建物を譲り受けた者は、当該特定建物に係る当該届出又は通知をした者の地位を承継する。
 第二十条第一項若しくは第二十三条第二項の規定による届出、第二十四条第四項の規定による届出若しくは通知又は第二十五条第四項の規定による届出をした者について相続、合併又は分割(当該届出又は通知に係る特定建物を承継させるものに限る。)があったときは、相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人又は分割により当該特定建物を承継した法人は、当該届出又は通知をした者の地位を承継する。
 前二項の規定により第二十条第一項若しくは第二十三条第二項の規定による届出、第二十四条第四項の規定による届出若しくは通知又は第二十五条第四項の規定による届出をした者の地位を承継した者は、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

第二十八条  都道府県知事は、第二十条から前条までの規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、特定建物を設置する者に対し、報告を求めることができる。
 都道府県知事は、前項の規定により特定建物を設置する者に対して報告を求める場合において、特に必要があると認めるときは、その必要な限度において、政令で定めるところにより、当該特定建物において事業を行う者に対し、参考となるべき報告を求めることができる。

第二十九条  一の地区が窒素酸化物重点対策地区又は粒子状物質重点対策地区として指定された際その地区内において特定建物を現に設置している者は、その特定建物の特定用途に係る事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制についての適正な配慮をして当該特定建物を維持し、及び運営しなければならない。
 前項に規定する特定建物において特定用途に係る事業を行う者は、当該特定建物を設置する者が同項の規定により適正な配慮をして行う活動に協力するよう努めなければならない。

第三十条  この節に定めるもののほか、特定建物に係る変更の届出の手続その他この節の規定の施行に関し必要な事項は、環境省令で定める。

      事業所管大臣は、第一項に規定する判断の基準となるべき事項を定めようとするときは、あらかじめ、環境大臣に協議しなければならない。これを変更し、又は廃止しようとするときも、同様とする。

 環境大臣は、窒素酸化物対策地域及び粒子状物質対策地域における自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制を図るために必要があると認めるときは、第一項に規定する判断の基準となるべき事項に関し、事業所管大臣に対し、意見を述べることができる。

第三十二条  都道府県知事は、窒素酸化物対策地域及び粒子状物質対策地域における自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制を図るために必要があると認めるときは、事業者に対し、前条第一項に規定する判断の基準となるべき事項を勘案して、その事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制について必要な指導及び助言をすることができる。

第三十三条  窒素酸化物排出自動車、粒子状物質排出自動車その他の窒素酸化物対策地域内又は粒子状物質対策地域内に使用の本拠の位置を有する自動車であって、政令で定めるもの(以下この条において「対象自動車」という。)を使用する事業者は、その対象自動車のうち、排出状況その他の事情を勘案して政令で定める台数以上のものが一の都道府県の区域内にその使用の本拠の位置を有するときは、主務省令で定めるところにより、第三十一条第一項に規定する判断の基準となるべき事項において定められた事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制のために必要な計画的に取り組むべき措置であって、その一の都道府県の区域内にその使用の本拠の位置を有する対象自動車(以下この条及び第三十五条第一項において「特定自動車」という。)に係るものの実施に関する計画を作成し、当該特定自動車の使用の本拠の位置の属する都道府県の知事に提出しなければならない。

第三十四条  前条の規定により同条の計画を作成すべき事業者(次条及び第四十一条第二項において「特定事業者」という。)は、毎年、主務省令で定めるところにより、その事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制のために必要な措置の実施の状況に関し、主務省令で定める事項を都道府県知事に報告しなければならない。

第三十五条  都道府県知事は、特定事業者の事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出であって、特定自動車に係るものの抑制が第三十一条第一項に規定する判断の基準となるべき事項に照らして著しく不十分であると認めるときは、当該特定事業者に対し、その判断の根拠を示して、その事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出であって、特定自動車に係るものの抑制に関し必要な措置を執るべき旨の勧告をすることができる。
 都道府県知事は、前項に規定する勧告を受けた特定事業者がその勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。
 都道府県知事は、第一項に規定する勧告を受けた特定事業者が、前項の規定によりその勧告に従わなかった旨を公表された後において、なお、正当な理由がなくてその勧告に係る措置を執らなかったときは、当該特定事業者に対し、その勧告に係る措置を執るべきことを命ずることができる。

第三十六条  第十二条第一項の窒素酸化物対策地域における大気の汚染の主要な原因となるものとして政令で定める自動車又は同項の粒子状物質対策地域における大気の汚染の主要な原因となるものとして政令で定める自動車(以下この条において「窒素酸化物等排出自動車」と総称する。)であって、周辺地域内に使用の本拠の位置を有するもの(以下「周辺地域内自動車」という。)を使用する事業者は、次の各号のいずれにも該当するときは、主務省令で定めるところにより、第三十一条第一項に規定する判断の基準となるべき事項において定められた事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制のために必要な計画的に取り組むべき措置であって、指定地区内において運行される周辺地域内自動車に係るものの実施に関する計画を作成し、当該指定地区をその区域に含む都道府県の知事に提出しなければならない。
 当該事業者の使用する周辺地域内自動車のうち政令で定める台数以上のものが一の都道府県の区域内にその使用の本拠の位置を有するとき。
 主務省令で定めるところにより算定した、当該事業者の使用する前号の一の都道府県の区域内にその使用の本拠の位置を有する周辺地域内自動車を指定地区内において運行する回数が、主務省令で定める回数以上であるとき。
 前項の「周辺地域」とは、窒素酸化物対策地域又は粒子状物質対策地域の周辺の地域であって、その地域内に使用の本拠の位置を有する窒素酸化物等排出自動車が指定地区内において相当程度運行されていると認められる地域として、指定地区ごとに主務省令で定めるものをいう。
 前二項の「指定地区」とは、窒素酸化物重点対策地区又は粒子状物質重点対策地区のうち、窒素酸化物対策地域外又は粒子状物質対策地域外に使用の本拠の位置を有する窒素酸化物等排出自動車に係る自動車排出窒素酸化物等による大気の汚染の防止を図るための対策を推進することが必要であると認められる地区として、環境大臣が指定するものをいう。
 前項の規定による指定は、都道府県知事の申出に基づいて行うものとする。
 環境大臣は、第三項の規定による指定をしようとするときは、事業所管大臣に協議しなければならない。
 環境大臣は、第三項の規定による指定をしたときは、その旨を公示しなければならない。

第三十七条  前条第一項の規定により同項の計画を作成すべき事業者(以下「周辺地域内事業者」という。)は、毎年、主務省令で定めるところにより、その事業活動に伴う指定地区(同条第三項に規定する指定地区をいう。以下同じ。)における自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制のために必要な措置の実施の状況に関し、主務省令で定める事項を当該指定地区をその区域に含む都道府県の知事に報告しなければならない。

第三十八条  指定地区をその区域に含む都道府県の知事は、当該指定地区における周辺地域内自動車に係る自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制を図るために必要と認めるときは、周辺地域内事業者に対し、第三十一条第一項に規定する判断の基準となるべき事項を勘案して、その事業活動に伴う当該指定地区における自動車排出窒素酸化物等の排出であって、周辺地域内自動車に係るものの抑制について必要な指導及び助言をすることができる。

第三十九条  指定地区をその区域に含む都道府県の知事は、周辺地域内事業者の事業活動に伴う当該指定地区における自動車排出窒素酸化物等の排出であって、周辺地域内自動車に係るものの抑制が第三十一条第一項に規定する判断の基準となるべき事項に照らして著しく不十分であると認めるときは、当該周辺地域内事業者に対し、その判断の根拠を示して、その事業活動に伴う当該指定地区における自動車排出窒素酸化物等の排出であって、周辺地域内自動車に係るものの抑制に関し必要な措置を執るべき旨の勧告をすることができる。
 前項の規定による勧告をした都道府県知事は、同項に規定する勧告を受けた周辺地域内事業者が、正当な理由がなくてその勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。

第四十条  事業者は、その使用する周辺地域内自動車を窒素酸化物対策地域内又は粒子状物質対策地域内において運行する場合にあっては、第十四条の規定による道路運送車両法第四十一条 に基づく技術基準に適合したものを使用するように努めなければならない。
 窒素酸化物対策地域内又は粒子状物質対策地域内において、貨物自動車運送事業法 (平成元年法律第八十三号)の規定による貨物自動車運送事業者又は貨物利用運送事業法 (平成元年法律第八十二号)の規定による第二種貨物利用運送事業を経営する者に周辺地域内自動車を使用した貨物の運送を継続して行わせる事業者は、第三十一条第一項に規定する判断の基準となるべき事項の定めるところに留意して、計画的な運送の委託を行うことによる定量で提供される輸送力の利用効率の向上その他の措置を適確に実施することにより、貨物の運送に係る自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制に資するよう努めなければならない。

第四十一条  都道府県知事は、第三十三条の規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、対象自動車を使用する事業者に対し、その使用する対象自動車の台数を報告させ、又はその職員に、対象自動車を使用する事業者の事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
 都道府県知事は、第三十四条及び第三十五条の規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、特定事業者に対し、その業務の状況に関し報告させ、又はその職員に、特定事業者の事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
 都道府県知事は、第三十六条第一項の規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、周辺地域内自動車を使用する事業者に対し、その使用する周辺地域内自動車の台数及び指定地区内における運行の状況に関し報告させ、又はその職員に、周辺地域内自動車を使用する事業者の事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
 都道府県知事は、第三十七条及び第三十九条の規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、周辺地域内事業者に対し、その業務の状況に関し報告させ、又はその職員に、周辺地域内事業者の事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
 前各項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
 第一項から第四項までの規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

第四十二条  都道府県知事は、第三十三条及び第三十六条第一項の規定による当該各条の計画の提出又は第三十四条及び第三十七条の規定による報告があったときは、主務省令で定めるところにより、当該計画の提出及び報告に係る事項を環境大臣に通知するものとする。
 環境大臣は、前項の規定による通知があったときは、当該通知に係る事項を事業所管大臣に通知するものとする。

第四十三条  道路運送法 (昭和二十六年法律第百八十三号)の規定による自動車運送事業者及び貨物利用運送事業法 の規定による第二種貨物利用運送事業を経営する者に対する第三十二条 から第三十五条 まで、第三十六条第一項、第三十七条から第三十九条まで及び第四十一条第一項から第四項までの規定の適用については、第三十二条、第三十四条、第三十五条、第三十九条第二項及び第四十一条第一項から第四項までの規定中「都道府県知事」とあり、第三十三条中「当該特定自動車の使用の本拠の位置の属する都道府県の知事」とあり、第三十六条第一項及び第三十七条中「当該指定地区をその区域に含む都道府県の知事」とあり、並びに第三十八条及び第三十九条第一項中「指定地区をその区域に含む都道府県の知事」とあるのは「国土交通大臣」と、第三十三条、第三十四条、第三十六条第一項各号列記以外の部分及び第三十七条中「主務省令」とあるのは「環境省令、国土交通省令」とする。
 国土交通大臣は、前項の規定により読み替えて適用される第三十三条及び第三十六条第一項の規定による当該各条の計画の提出又は前項の規定により読み替えて適用される第三十四条及び第三十七条の規定による報告があったときは、遅滞なく、環境省令、国土交通省令で定めるところにより、その内容を環境大臣及び関係都道府県知事に通知するものとする。
 環境大臣又は窒素酸化物対策地域若しくは粒子状物質対策地域をその区域の全部若しくは一部とする都道府県の知事は、窒素酸化物対策地域又は粒子状物質対策地域における自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制を図るために必要があると認めるとき、又は事業活動に伴う指定地区における自動車排出窒素酸化物等の排出であって、周辺地域内自動車に係るものの抑制を図るために必要があると認めるときは、国土交通大臣に対し、第一項の規定により読み替えて適用される第三十二条、第三十五条、第三十八条、第三十九条又は第四十一条第一項から第四項までの規定による措置を執るべきことを要請することができる。
 国土交通大臣は、前項の規定による要請があった場合において講じた措置を、環境大臣の要請を受けて講じたものにあっては環境大臣に、都道府県知事の要請を受けて講じたものにあっては当該都道府県知事に通知するものとする。

   第四章 雑則

第四十四条  この法律に規定する環境大臣の権限は、政令で定めるところにより、その一部を地方環境事務所長に委任することができる。
 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、政令で定めるところにより、その一部を地方運輸局長に委任することができる。
 前項の規定により地方運輸局長に委任された権限は、政令で定めるところにより、運輸監理部長又は運輸支局長に委任することができる。

第四十五条  環境大臣は、この法律の目的を達成するために必要があると認めるときは、関係地方公共団体の長に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。
 都道府県は、この法律の目的を達成するために必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長又は関係道路管理者に対し、必要な資料の送付その他の協力を求め、又は自動車排出窒素酸化物等による大気の汚染の防止に関し意見を述べることができる。

第四十六条  国は、電気自動車(専ら電気を動力源とする自動車をいう。)その他その運行に伴って排出される自動車排出窒素酸化物等がないか又はその量が相当程度少ない自動車の開発及び利用の促進並びに自動車排出窒素酸化物等の量がより少ない自動車への転換の促進に必要な資金の確保、技術的な助言その他の援助に努めるものとする。

第四十七条  この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

第四十八条  この法律において主務省令は、環境大臣及び事業所管大臣の発する命令とする。

   第五章 罰則

第四十九条  第三十五条第三項(第四十三条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者は、五十万円以下の罰金に処する。

第五十条  次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
 第二十条第一項、第二十一条第一項又は第二十三条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
 第二十条第二項(第二十三条第三項、第二十四条第五項及び第二十五条第五項において準用する場合を含む。)の添付書類であって、虚偽の記載のあるものを提出した者
 第二十条第三項、第二十三条第四項又は第二十四条第六項の規定に違反した者
 第二十四条第四項又は第二十五条第四項の規定による届出をする場合において虚偽の届出をした者
 第二十八条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
 第三十三条又は第三十六条第一項(これらの規定を第四十三条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による提出をしなかった者
 第三十四条、第三十七条若しくは第四十一条第一項から第四項まで(これらの規定を第四十三条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は第四十一条第一項から第四項まで(第四十三条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

第五十一条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。

第五十二条  第二十三条第一項若しくは第五項又は第二十七条第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、十万円以下の過料に処する。

   附 則 抄

(施行期日)
 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第六条第三項、第四項、第五項(総量削減基本方針の案の作成に係る部分に限る。)及び第六項並びに次項から附則第四項までの規定は公布の日から、第十条(第三項を除く。)、第十一条第一項及び第十二条の規定は公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

   附 則 (平成五年一一月一九日法律第九二号) 抄

 この法律は、公布の日から施行する。
   附 則 (平成一一年七月一六日法律第八七号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日

(国等の事務)
第百五十九条  この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。

(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条  この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。

(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条  施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(手数料に関する経過措置)
第百六十二条  施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第百六十三条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
 附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。

(検討)
第二百五十条  新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。

第二百五十一条  政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

第二百五十二条  政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。

   附 則 (平成一三年六月二七日法律第七三号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第一条のうち自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法第七条の次に二条を加える改正規定中同法第八条第三項(第六条第三項、第四項、第五項(案の作成に係る部分に限る。)及び第六項の準用に係る部分に限る。)に係る部分 公布の日
 第二条中自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法第六条第二項第二号の改正規定、同法第八条第二項第二号の改正規定、同法第十二条第三項の改正規定、同法第十三条に二項を加える改正規定(第四項に係る部分に限る。)及び同法第十五条の改正規定(第三項に係る部分に限る。) 公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日
 第二条の規定(前号に掲げる規定を除く。)並びに次条及び附則第五条の規定 公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日

(経過措置)
第二条  前条第三号に掲げる規定の施行の日前に第二条の規定による改正前の自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法第七条第三項(同条第六項及び第九条第三項において準用する場合を含む。)の規定によりされた承認又は同号に掲げる規定の施行の際現にこれらの規定によりされている承認の申請は、それぞれ第二条の規定による改正後の自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法第七条第三項(同条第六項及び第九条第三項において準用する場合を含む。)の規定によりされた同意又は協議の申出とみなす。

(検討)
第三条  政府は、窒素酸化物総量削減基本方針において定める窒素酸化物対策地域における自動車排出窒素酸化物の総量の削減に関する目標及び粒子状物質総量削減基本方針において定める粒子状物質対策地域における自動車排出粒子状物質の総量の削減に関する目標の達成状況に応じ、この法律による改正後の規定に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成一四年五月三一日法律第五四号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十四年七月一日から施行する。

(経過措置)
第二十八条  この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律若しくはこれに基づく命令(以下「旧法令」という。)の規定により海運監理部長、陸運支局長、海運支局長又は陸運支局の事務所の長(以下「海運監理部長等」という。)がした許可、認可その他の処分又は契約その他の行為(以下「処分等」という。)は、国土交通省令で定めるところにより、この法律による改正後のそれぞれの法律若しくはこれに基づく命令(以下「新法令」という。)の規定により相当の運輸監理部長、運輸支局長又は地方運輸局、運輸監理部若しくは運輸支局の事務所の長(以下「運輸監理部長等」という。)がした処分等とみなす。

第二十九条  この法律の施行前に旧法令の規定により海運監理部長等に対してした申請、届出その他の行為(以下「申請等」という。)は、国土交通省令で定めるところにより、新法令の規定により相当の運輸監理部長等に対してした申請等とみなす。

第三十条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

   附 則 (平成一四年六月一九日法律第七七号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

   附 則 (平成一七年四月二七日法律第三三号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十七年十月一日から施行する。

(経過措置)
</div>

<div class=”item”><b>第二十四条</b>  この法律による改正後のそれぞれの法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。 </div>

<br>   <a name=”5000000009000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000”><b>附 則 (平成一九年五月一八日法律第五〇号)</b></a> <br><p> </p><div class=”arttitle”>(施行期日)</div> <div class=”item”><b>第一条</b>  この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 </div>

<p> </p><div class=”arttitle”>(検討)</div> <div class=”item”><b>第二条</b>  政府は、窒素酸化物総量削減基本方針において定める窒素酸化物対策地域における自動車排出窒素酸化物の総量の削減に関する目標及び粒子状物質総量削減基本方針において定める粒子状物質対策地域における自動車排出粒子状物質の総量の削減に関する目標の達成状況に応じ、この法律による改正後の自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の規定に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 </div>

<br>   <a name=”5000000010000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000”><b>附 則 (平成二三年五月二日法律第三七号) 抄</b></a> <br><p> </p><div class=”arttitle”>(施行期日)</div> <div class=”item”><b>第一条</b>  この法律は、公布の日から施行する。 </div>

<p> </p><div class=”arttitle”>(自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部改正に伴う経過措置)</div> <div class=”item”><b>第二十一条</b>  この法律の施行の際現に第四十一条の規定による改正前の自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法第七条第三項(同条第六項及び同法第九条第三項において準用する場合を含む。)の規定によりされている協議の申出は、第四十一条の規定による改正後の自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法第七条第三項(同条第六項及び同法第九条第三項において準用する場合を含む。)の規定によりされた協議の申出とみなす。 </div>

<p> </p><div class=”arttitle”>(罰則に関する経過措置)</div> <div class=”item”><b>第二十三条</b>  この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 </div>

<p> </p><div class=”arttitle”>(政令への委任)</div> <div class=”item”><b>第二十四条</b>  附則第二条から前条まで及び附則第三十六条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 </div>

<br>   <a name=”5000000011000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000”><b>附 則 (平成二三年八月三〇日法律第一〇五号) 抄</b></a> <br><p> </p><div class=”arttitle”>(施行期日)</div> <div class=”item”><b>第一条</b>  この法律は、公布の日から施行する。 </div>

<p> </p><div class=”arttitle”>(罰則に関する経過措置)</div> <div class=”item”><b>第八十一条</b>  この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 </div>

<p> </p><div class=”arttitle”>(政令への委任)</div> <div class=”item”><b>第八十二条</b>  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。 </div>

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